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荘重
「荘重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荘重の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海底大陸」より 著者:海野十三
がよろしいと思う」 と、長良川博士はテーブルのまえに上半身をのりだし、きわめて
荘重な口調をもって、 「海底超人は、それ以来四千年というものを、日光をもあびず、....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
三沢初子のことだそうで、その墓は榴ヶ岡下の孝勝寺にある。墓は鉄柵をめぐらして頗る
荘重に見える。 初子は四十八歳で死んだ。かれは伊達|綱宗の側室で、その子の亀千....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れば、熱帯的な狂熱的な美しさとなり、またチャイルドが詠うと、それから、旧教主義の
荘重な魂の熱望が生れてくるのだ。また、その抛物線を近世の心理分析学者どもは、滑斜....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
佐助のために一言弁解すれば、彼自身いちはやくも自己嫌悪を嘔吐のように催していた。
荘重を欠いたが、莫迦ではなかった証拠である……。 思えば今日まで自尊心を傷つけ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
い。盗みをした者が手を触るればたちまちに音を立てる」 陳は下役の者どもを率いて
荘重な祭事をおこなった。それが済んで、鐘のまわりに帷を垂れさせた。彼はひそかに命....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
、白銀の牙、色は藍のごとき獅子頭、萌黄錦の母衣、朱の渦まきたる尾を装いたるまま、
荘重にこれを据えたり。 ――侍女等、女童とともにその前に行き、跪きて、手に手に秋....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
しさが、いくぶん消えていったようである。ちょうどそこは、大きな寺院の入口みたいな
荘重な大玄関であった。左右に何本かの石柱が並び、石段がその間をぬって上へのぼって....
「火薬船」より 著者:海野十三
、いよいよ顔のやり場にこまっている様子だ。 そのとき岸少尉は、きッと形を改め、
荘重なこえで、 「臨検は、これで終了した。なお、おわりに四十何人かの生ける亡者ど....
「空襲警報」より 著者:海野十三
あります。司令官閣下を御紹介いたします」 しばらく間があって、やがて軍人らしい
荘重な声がひびいてきた。―― 「本日午後八時、全国に防空令がくだされました。その....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
唱うだろうね。これからは、牧場のごとく緑なる……嬰児の肉のごとくすずしく……また
荘重な、深い魂の呻きを聴くことができるのだよ」 その涙の跡は、片時もウルリーケ....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
殖民地の一獲千金的紙上利益をタイプライターが創造しているだけの計画書を示し、彼に
荘重な約束手形の署名をさせるようになった。もちろんスワンソンは欺されてばかり居る....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
を建てたは文学士|春廼舎朧であった。世間は既に政治小説に目覚めて、欧米文学の絢爛
荘重なるを教えられて憧憬れていた時であったから、彼岸の風を満帆に姙ませつつこの新....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
の影響力から免れることはできなかった。そしていまや新しい情景が――男を飾る危険と
荘重の情景が、彼の前に開けてきた。 一家族の境遇が――英国史には一度ならず現わ....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
して、遠く碧天に接し、上り下りの帆影、真艫に光を射りて、眩きまでに白し。其の闊大
荘重の景象、自ら衆川の碌々に異れり。 乗り移るや否、船頭直に櫓を執り、熟地に向....
「六日月」より 著者:岩本素白
べき構えの家から、ピアノの音が漏れて来る。それも此の楽器特有の潮の湧き起るような
荘重なのではなく、稽古でもして居るらしく、唯たど/\しくぽん/\いうだけの音であ....