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荷
「荷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
その退屈な空の下で、高架《こうか》鉄道を汽車が通る。被服廠《ひふくしょう》へ通う
荷馬車が通る。店の戸が一つずつ開《あ》く。自分のいる停車場にも、もう二三人、人が....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に平文《ひらもん》の鞍《くら》を置いてまたがった武士が一人、鎧櫃《よろいびつ》を
荷なった調度掛《ちょうどが》けを従えながら、綾藺笠《あやいがさ》に日をよけて、悠....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
はもうあの頃から支那人にだけはなりすましていた。元来天下に国籍くらい、面倒臭いお
荷物はない。ただ支那と云う国籍だけはほとんど有無《うむ》を問《と》われないだけに....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
のある横町も殆《ほとん》ど人通りと云うものはなかった。豆腐屋さえそこを通る時には
荷を大通りへおろしたなり、喇叭《らっぱ》を吹いて通るだけだった。
「玄鶴山房――....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
う点のわかっているのは文雄《ふみお》ってあたしの従兄《いとこ》なのよ。これは永井
荷風《ながいかふう》だの谷崎潤一郎《たにざきじゅんいちろう》だのを読んでいるの。....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
なければ迂闊《うかつ》な近江商人《おうみあきゅうど》が、魚盗人《うおぬすびと》に
荷でも攫《さら》われたのだろうと、こう私は考えましたが、あまりその騒ぎが仰々《ぎ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
々熱が昂《たか》ぶるようになった。が、彼は悪感《おかん》を冒しても、やはり日毎に
荷を負うて、商《あきない》に出る事を止めなかった。甚太夫は喜三郎の顔を見ると、必....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
蔵《どぞう》へお栄をつれて行きました。
土蔵の奥には昔から、火伏《ひぶ》せの稲
荷《いなり》が祀《まつ》ってあると云う、白木《しらき》の御宮がありました。祖母は....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
を暮しているのは、気が咎《とが》める。本間さんはとうとう思い切って、雨が降るのに
荷拵《にごしら》えが出来ると、俵屋《たわらや》の玄関から俥《くるま》を駆って、制....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
発見した。轢死《れきし》だなとたちまち考えもした。幸い踏切りの柵《さく》の側に、
荷をつけた自転車を止めているのは知り合いの肉屋の小僧だった。保吉は巻煙草《まきた....
「少年」より 著者:芥川竜之介
同時に大沙漠の空想などは蜃気楼《しんきろう》のように消滅した。今はただ泥だらけの
荷車が一台、寂しい彼の心の中《うち》におのずから車輪をまわしている。……
保吉....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
る。
「早くしてくれ。早く。――早くしないと、大変だから。」
常子はやむを得ず
荷造りに使う細引を一束《ひとたば》夫へ渡した。すると彼はその細引に長靴の両脚を縛....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ゴルゴダで十字架《くるす》を負った時の話になった。丁度この話へ移る前に、上人が積
荷の無花果《いちじゅく》を水夫に分けて貰って、「さまよえる猶太人」と一しょに、食....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
日の暮れがた、ある小学校の先輩と元町通りを眺めていた。すると亜鉛の海鼠板を積んだ
荷車が何台も通って行った。 「あれはどこへ行く？」 僕の先輩はこう言った。が、....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ナトオル・フランスの対話集」を読みはじめた。が、この近代の牧羊神もやはり十字架を
荷っていた。…… 一時間ばかりたった後、給仕は僕に一束の郵便物を渡しに顔を出し....