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荷作り
「荷作り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荷作りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「饗応夫人」より 著者:太宰治
やさ》しく微笑《ほほえ》みました。 お客たちの来ないうちにと、私はその日にもう
荷作りをはじめて、それから私もとにかく奥さまの里《さと》の福島までお伴《とも》し....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
半九郎はしっかりした足取りで歩いた。宿所へ帰って、彼は八介に指図して忙がしそうに
荷作りをした。さしたる荷物もないのであるが、それでも一※《いっとき》ほどの暇を潰....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って
荷作りをする覚悟《かくご》でいた。どうせ、こんな手合《てあい》を弁口《べんこう》....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ところによると、二十二日に本所の家へ碁盤を受け取りにゆくと、お俊はもう引っ越しの
荷作りをしていたが、女中のお直の姿は見えない。お直さんはどうしたと訊くと、もう暇....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
戸中でも頻りにその噂をしていました。わたくしも下谷に住んでいましたから、前々から
荷作りをして、さあと云ったらすぐに立退く用意をしていたくらいです。そのうちに形勢....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
家の暗いなかにも一本の蝋燭の火が微かにゆれて、妻と女中と手伝いの人があわただしく
荷作りをしていた。どの人も黙っていた。 万一の場合には紀尾井町の小林蹴月君のと....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
けだ。」 二 ポローニヤス邸の一室 レヤチーズ。オフィリヤ。 レヤ。「
荷作りくらいは、おまえがしてくれたっていいじゃないか。ああ、いそがしい。船は、も....
「もくねじ」より 著者:海野十三
熱してきた。ぼくはあまり暑くて、しまいには汗をかいた。 そのうちに試験も終り、
荷作りされた。 ぼくはトラックに揺られ、それから貨車の中に揺られ、放送所のある....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
すれば用がなくなるというんでそこらへ投げ出して置いたのが誤りの因らしい。すっかり
荷作りを済ましたあとで、旅券の無いことを発見したのだ。 一体旅行もいいが、出発....
「晩夏」より 著者:堀辰雄
気もちも落着くだろうと思いながら、丁度店の主人が一人で横浜へ引き上げるため最後の
荷作りをしている或る運動具店の前を通りすがりに、ひょいとズックの手提鞄《てさげか....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
たと思う」とマチアが言った。 それから数分間のうちにわたしたちの荷物はすっかり
荷作りができて、わたしたちは出発した。 パリからボローニュまで道みち主な町で足....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
。 (何てお美しい奥様なのだろう。私は何よりも美しいものが好きだ。お本店へ務めて
荷作りをしたり、物を持ってお顧客様へお使いをしたり、番頭さんに睨まれたり、丁稚に....
「火に追われて」より 著者:岡本綺堂
家の暗いなかにも一本の蝋燭の火が微にゆれて、妻と女中と手つだいの人があわただしく
荷作りをしていた。どの人も黙っていた。 万一の場合には紀尾井町のK君のところへ....
「かもめ」より 著者:神西清
左手へ退場。同時に右手から、アルカージナ、燕尾服に星章をつけたソーリン、それから
荷作りに大童のヤーコフが登場) アルカージナ お年寄りは、ここにじっとしてらっし....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
中の土間の上で三浦の大介だとか、何だとかいって立廻りをしている芝居があったが私は
荷作り場の番頭さんの背中におぶさって、番頭さんが感心してみているのと一緒になって....