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荷役
「荷役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荷役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
。米国への上陸が禁ぜられているシナの苦力《クリー》がここから上陸するのと、相当の
荷役とで、船の内外は急に騒々《そうぞう》しくなった。事務長は忙しいと見えてその夜....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
だ。それははなはだ手間の取れる厄介な積み込みであった。だが横浜には、そんな種類の
荷役《にやく》になれた仲仕《なかし》は沢山あった。従って、水夫たちも安心して、そ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
、分ってる。」と、山崎は答えた。 陳は、独逸から送った武器の送り状とか、それを
荷役している現場の写真、弾薬を受取った受取り、など、そんな重要な証拠物件を、どこ....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
体を据えていた。それは全く軍艦を思わせた。罐は製品倉庫から運河の岸壁で、そのまゝ
荷役が出来るようになっていた。 市の人は「H・S工場」を「H・S王国」とか、「....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
った四五はいの船も足をたかく見せていた。荷をおろして一呼吸いれている姿であった。
荷役の掛声も揺曳《ようえい》していた。そこから、或いは川瀬舟に積みかえられ、また....
「上海された男」より 著者:牧逸馬
出た。 小春日和の麗《うらら》かさに陽炎《かげろう》が燃えていた。海岸通りには
荷役の権三《ごんぞう》たちが群を作《な》して喧《やかま》しく呶鳴り合って居た。外....
「労働者の居ない船」より 著者:葉山嘉樹
。 彼女はマニラについた。 室の中の蠅のように、船舶労働者は駆けずり廻って、
荷役をした。 彼女は、マニラの生産品を積んで、三池へ向って、帰航の途についた。....
「火薬船」より 著者:海野十三
ましょう」 「へえ、すぐというと、今夜にもといういみですか」 「そうです。夜分の
荷役は、なかなかむずかしいというかもしれないが、やってやれないことはない。さあロ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
渉である。私と彼女が、桟橋に立っている二人の巡査と、数人の近処の子供らと、一団の
荷役人夫たちに別れの手を振りながら、すこしでも強く長くこの倫敦の最後の印象を持続....
「立札」より 著者:豊島与志雄
他の見物人を誘って、いつも、彼のいるところには人立がふえました。 船から河岸へ
荷役のあるたびごとに、朱文は大抵その近くに出て来ましたし、背が高く腕が長そうだと....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いたから、天気はよいが、今日は仕事にアブレそうな予感がした。一助は横浜の波止場で
荷役に働く俗に云うカンカン虫であった。 「今日はアブレそうだなア。行くだけムダか....
「光は影を」より 著者:岸田国士
いて、十日休めるつてわけさ。それがいやなら、今、おれのところで請け負つてる、船の
荷役の監督はどうだ。これは、八時間交替で、夜勤は定額の三倍、一と月、夜勤を続けれ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
にする岸壁を工事中である。したがって、ここの港は魚を水揚げするよりも、一般の港の
荷役に利用され、石炭が
荷役の大半、魚の水揚げは全体の数パーセントという有様だ。け....
「春雪」より 著者:久生十蘭
が、どこへ行ったか探す方法はないだろうか……話をきいてみると、ロバート君が横浜へ
荷役に行っていた間、たがいにチラと眼を見あわせたいだけのために、半年近くも、毎朝....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
流れた。 生きて帰れるかどうか。――舷側では顔見知りの石炭仲仕たちが、船の中で
荷役している。一人が私をみつけ、私を見上げながら威勢のよい声で呼びかけた。 『お....