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「荷積〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

荷積の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島崎藤村
お種は、来た時と帰る時と比べると、全く別の人のようであった。海から見た陸の連続、荷積の為に寄って行く港々――すべて一年前の船旅の光景を逆に巻返すかのようで、達雄....
」より 著者:島崎藤村
をして、表から入って来た。勉は大阪まで行って来たことから、東京での商用も弁じた、荷積も終った、明日は帰国の途に就くことなぞを話した。この人とお雪の妹との間には、....
新生」より 著者:島崎藤村
イの波止場《はとば》で牧野や岸本の乗組を待っていた。多量な英国出の貨物はあらかた荷積を終ったらしい頃で、岸本等の荷物も先に船の方へ届いていた。船員等は帆柱の下あ....
」より 著者:島崎藤村
わかれ》の挨拶でもするかのように…… 戻りには何処へも寄らなかった。唯、汽船が荷積の為に港々へ寄って行くのを待つばかりで。 一日乗ると船にも飽きた。飲食《の....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
やっぱり宅へ帰ったような気がする。夕飯には小羊の乗った復活祭のお菓子が出る。夜は荷積みで騒がしい。 四月十二日 朝から汗が流れる。桟橋にはいろいろの物売りが出....
話の種」より 著者:寺田寅彦
重機 強い電磁石を使って重い鉄片などを吸い付けて吊し上げ、汽車や汽船の荷上げや荷積みをする器械が近来|処々で用いられる。今度米国の某鉄道会社で試験した結果によ....
足迹」より 著者:徳田秋声
いた。 五十五 向う河岸は静かであった。倉庫で働いている男や、黙って荷積みをしている人夫の姿が、時々お庄の目に侘しく映った。碧黒くおどんだ水には白い....
十九の秋」より 著者:永井荷風
神戸の港で、後から陸行して来られる両親を待合《まちあわせ》したのである。 船は荷積をするため二日二晩|碇泊《ていはく》しているので、そのあいだに、わたくしは一....
みちの記」より 著者:森鴎外
よわぬ軌道を、洋服きたる人の妻子婢妾にとおらせ、猶|飽きたらでか、これを空きたる荷積汽車にのせて人に推させたるなどなりき。渾てこの旅の間に、洋服の勢力あるを見し....
旅愁」より 著者:横光利一
そう思うと軽い戦慄を感じて来るのだった。 朝靄のかかった埠頭ではやがて船の荷積も終ろうとしていた。パリへ出発する一団のものは、眠そうな顔でそれぞれ船室から....