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「莟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

莟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
6 飾り窓の中の鬼百合の花。ただし後ろは暗である。鬼百合の花の下に垂れている《つぼみ》もいつか次第に開きはじめる。 17 「わたし....
」より 著者:芥川竜之介
間《すきま》をくぐって、一つの枝の先へ這い上った。先には土いきれに凋《しぼ》んだ《つぼみ》が、花びらを暑熱に※《ねじ》られながら、かすかに甘い※《におい》を放....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
たように想像している。) 「伯母さん、これは何と云う樹?」 「どの樹?」 「この《つぼみ》のある樹。」 僕の母の実家の庭には背の低い木瓜《ぼけ》の樹が一株、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
た。 「あの、庭の白百合はもう咲いたの、」 「…………」 「この間行った時、まだが堅かったから、早く咲くように、おまじないに、私、フッフッとふくらまして来たけ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
それから動物と人間が成り出でた。太陽神ラー(Ra)もまた原始水の中で一つの蓮華のの中に隠されていたが、創世の日にこの蓮の花弁が開きラーが出現して天における彼の....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
なで染めた、それがほのかに読まれる――紙が樹の隈を分けた月の影なら、字もただ花とを持った、桃の一枝であろうも知れないのである。 そこへ……小路の奥の、森の覆....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
塗骨の扇つつましく持添えて、床板の朽目の青芒に、裳の紅うすく燃えつつ、すらすらとなす白い素足で渡って。――神か、あらずや、人か、巫女か。 「――その話の人たち....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
捧げて来た。手毬を取って、美女は、掌の白きが中に、魔界はしかりや、紅梅の大いなると掻撫でながら、袂のさきを白歯で含むと、ふりが、はらりと襷にかかる。 ※たけ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
紙に据えて立つ…… 実はそれさえ身に染みた。 床の間にも残ったが、と見ると、の堅いのと、幽に開いた二輪のみ。 「ちょっと、お待ち。」 「何、」と襖に手を掛....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
目を忍んで寄添う風情に、都振なる雪女郎の姿が、寒くば絹綿を、と柳に囁き、冷い梅のはもとより、行倒れた片輪車、掃溜の破筵までも、肌すく白い袖で抱いたのである。が....
縁結び」より 著者:泉鏡花
いから、とそうおっしゃって下さいましたもんですから……」 と優容な物腰。大概、から咲きかかったまで、花の香を伝えたから、跛も、めっかちも聞いたであろうに、仂....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
った、豊な頬に艶やかに靡いて、色の白いが薄化粧。水色縮緬の蹴出の褄、はらはら蓮のを捌いて、素足ながら清らかに、草履ばきの埃も立たず、急いで迎えた少年に、ばッた....
歯車」より 著者:芥川竜之介
雪のある庭に向っていた。僕はペンを休める度にぼんやりとこの雪を眺めたりした。雪はを持った沈丁花の下に都会の煤煙によごれていた。それは何か僕の心に傷ましさを与え....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
……手にも掬ばず、茶碗にも後れて、浸して吸ったかと思うばかり、白地の手拭の端を、むようにちょっと啣えて悄れた。巣立の鶴の翼を傷めて、雲井の空から落ちざまに、さ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
です。心を曳かれて、うっかりして木戸を出ました。土が白い色して、杜若の花、紅羅のも、色を朧に美しい。茱萸の樹を出ますと、真夜中の川が流れます。紀行を思うと、渡....