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菅笠
「菅笠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菅笠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
郎の浄観《じょうかん》と云っているのも確かめた上、安政六年九月|七日《なのか》、
菅笠《すげがさ》をかぶり、旅合羽《たびがっぱ》を着、相州無銘《そうしゅうむめい》....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
《ばん》ニョ片籠《かたかご》と天秤《てんびん》とを肩にして出掛ける。民子が跡から
菅笠《すげがさ》を被《かむ》って出ると、母が笑声で呼びかける。 「民や、お前が菅....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
と端折って、赤脛に脚絆、素足に草鞋、かっと眩いほど日が照るのに、笠は被らず、その
菅笠の紐に、桐油合羽を畳んで、小さく縦に長く折ったのを結えて、振分けにして肩に投....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
津の方へ行く道だよ。」 「そうか――そこの中ほどに、さきが古道具屋と、手前が桐油
菅笠屋の間に、ちょっとした紙屋があるね。雑貨も商っている……あれは何と言う家だい....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
やっぱり朝のうち、……その時は町の方を歩行いて、通りの煮染屋の戸口に、手拭を頸に
菅笠を被った……このあたり浜から出る女の魚売が、天秤を下した処に行きかかって、鮮....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
の言の通りにすると、蓑を着よ、そのようなその羅紗の、毛くさい破帽子などは脱いで、
菅笠を被れという。そんで、へい、苧殻か、青竹の杖でもつくか、と聞くと、それは、つ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ません。いきれの強い残暑のみぎり。 まあ、のめり込んだ御堂の中に、月にぼやっと
菅笠ほどの影が出来て、大きな梟――また、あっちの森にも、こっちの林にも鳴いていま....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
し、お飯上りまし、お饂飩もござりますと、媚めかしく呼ぶ中を、頬冠やら、高帽やら、
菅笠を被ったのもあり、脚絆がけに借下駄で、革鞄を提げたものもあり、五人づれやら、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
で支いて、立場の方を振返ると、農家は、さすがに有りのままで、遠い青田に、俯向いた
菅笠もちらほらあるが、藁葺の色とともに、笠も日向に乾びている。 境は急に心細い....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
て、蓑を着て、雨の降るなかをびしょびしょ濡れながら、橋の上を渡って行くのは猪だ。
菅笠を目深に被って、※に濡れまいと思って向風に俯向いてるから顔も見えない、着てい....
「取舵」より 著者:泉鏡花
る然と陥みて盲いたり。 木綿袷の條柄も分かぬまでに着古したるを後※の杖と一蓋の
菅笠とを膝の辺りに引寄せつ。産は加州の在、善光寺|詣の途なる由。 天気は西の方....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
て、この場合――ごみも埃もいってはおられぬ。額の裏から、ばさりと肘に乗ったのは、
菅笠です。鳩の羽より軽かったが、驚くはずみの足踏に、ずんと響いて、どろどろと縁が....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
たが、七分八分は値段ではない、肉の多少で、一貫はすなわち十分の意味だそうである。
菅笠脚絆で、笊に積んで、女の売るのは、小形のしおらしい蟹で、市の居つきが荷を張っ....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
とだろう。 佐太郎は焼きつく眼で見守つた。 初世はもうスツカリ大人びている。
菅笠のかげの頬は、烈しい作業のせいで火のように紅く炎えている。その黒くうるんだ眼....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
ことがある。彼女等は一様に誰も皆山袴を穿き、負子に空俵を結びつけてあったり提灯や
菅笠などを吊してあったりする。すこやかな面もちをした口に駄菓子などが投げこまれて....