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菟
「菟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片信」より 著者:有島武郎
日新聞)。その後になって現われた批評には堺利彦氏と片山伸氏とのがある。また三上於
菟吉《みかみおときち》氏も書いておられたが僕はその一部分より読まなかった。平林初....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、春の桜時はここもさすがに賑わって、団子茶屋に団扇の音が忙がしかった。すすきの木
菟は旬はずれで、この頃はその尖ったくちばしを見せなかったが、名物の風車は春風がそ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
来てものすごき勢いなり。古本三冊を買う。「日本書道家辞典」と「禅語辞典」と、森於
菟氏の「解剖台に凭りて」なり。合計九十五円。餅菓子を売る店を見ているうちに九ケ箱....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
た、……微酔もそのままで、ふらふらと花をみまわしつつ近づいた。 巣から落ちた木
菟の雛ッ子のような小僧に対して、一種の大なる化鳥である。大女の、わけて櫛巻に無雑....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、怪しや、冴えたる女の声して、 「お爺さん――お取次。……ぽう、ぽっぽ。」 木
菟の女性である。 「皆、東京の下町です。円髷は踊の師匠。若いのは、おなじ、師匠な....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
長い嘴で留ったようで、何となく、水の音も、ひたひたとするようだったが、この時、木
菟のようになって、とっぷりと暮れて真暗だった。 「どうした、どうした。……おお、....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
と摺違うた時じゃが、の。」 与五郎は呼吸を吐いて、 「和尚が長い頭巾の頭を、木
菟むくりと擡ると、片足を膝頭へ巻いて上げ、一本の脛をつッかえ棒に、黒い尻をはっと....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、その上|紋着。やがて渚に聞けば、しかも五つ紋で。――これは外套の頭巾ばかりを木
菟に被って、藻抜けたか、辷落ちたか、その魂魄のようなものを、片手にふらふらと提げ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
なる。他の犬士の物語と比べて人間味が著しく稀薄であるが、殊に京都の物語は巽風・於
菟子の一節を除いては極めて空虚な少年武勇伝である。 本来『八犬伝』は百七十一回....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、直接に聞いた時でさえ、例の鶯の初音などとは沙汰の限りであるから、私が真似ると木
菟に化ける。第一「あんた、居やはりますか。」さて、思うに、「あの、居なはるか。」....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
わゆる近代の御伽百物語の徒輩にあらずや。果してしからば、我が可懐しき明神の山の木
菟のごとく、その耳を光らし、その眼を丸くして、本朝の鬼のために、形を蔽う影の霧を....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
八父子の手に成った……」 「勿論ですわ。――法界屋にお辞儀をなすった方が、この木
菟入道に……」 おお、今度は木
菟入道。 「挨拶をなさらないのは。――あなた、私....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
。現に今から百余年|前、天明年間に日向国の山中で、猟人が獣を捕る為に張って置いた
菟道弓というものに、人か獣か判らぬような怪物が懸った。全身が女の形で色が白く、赤....
「狐」より 著者:岡本かの子
ない。在るものは欅並木に、冬の月、仕舞って帰った茶屋の婆が、仕舞い忘れた土産の木
菟。形は生ものでも実は束ねた苅萱。これなら耳があったとて大事なかろう。 ――では....
「古事記」より 著者:太安万侶
、歌垣の場で、そのヲケの命の結婚なされようとする孃子の手を取りました。その孃子は
菟田《うだ》の長の女のオホヲという者です。そこでヲケの命も歌垣にお立ちになりまし....