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菩提寺
「菩提寺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菩提寺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
めるのか、それとも兄妹の人情というのでしょうか、まだふところに金のある間に自分の
菩提寺へ久し振りでたずねて行って、妹の回向料の積りで何となしに五両の金を納めて行....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
端までの一番賑やかな大通りを通って、僕が位牌を持たせられて、宝光寺という旧藩主の
菩提寺まで練って行った。新発田にもう十幾年もいて、それに母はそとへ出ると新発田言....
「食魔」より 著者:岡本かの子
は東京に出て来た。東京生れの檜垣の主人はもはや無縁同様にはなっているようなものの
菩提寺と墓地は赤坂青山辺に在った。戸主のことではあり、ともかく、骨は
菩提寺の墓に....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
て逸作が水を飲み終えてコップを盆に返すのをきっかけに葬列は寺へ向って動き出した。
菩提寺の寺は、町の本陣の位置に在るわたくしの実家の殆ど筋向うである。あまり近い距....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たものでござろう」 小幡から相談をうけてKのおじさんも考えた。結局、おじさんの
菩提寺の僧を頼んで、表向きは得体の知れないお文の魂のための追善供養を営むというこ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は沼津の生まれではなかった――その出生地をわたしは聞き洩らした――せめては故郷の
菩提寺に被害者の石碑を建立して、自分の安心を得たいと思い立って、その後一年ほどは....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
縁もない後住者の子孫を蠱惑しようと試みたのか、それは永久の謎である。鏡は由井家の
菩提寺へ納められて、吉左衛門が施主となって盛大な供養の式を営んだ。 その鏡はな....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
ところで、白飛白の単衣に小倉の袴をはいただけの僕は、麦わら帽に夕日をよけながら、
菩提寺へいそいで行った。地方のことだから、寺は近い。それでも町から三町あまりも引....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
どう処分しました。」 「家でも人形の処分に困って、いろいろ相談の結果、町はずれの
菩提寺へ持って行って、僧侶にお経を読んでもらった上で、寺の庭先で焼いてしまうこと....
「兜」より 著者:岡本綺堂
って、さらに小塚原から浅草の方へ引っ返した。それからさらに本所へまわって、自分の
菩提寺にかくれた。その以後のことはこの物語に必要はない。かれは無事に明治時代の人....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
らいだ。」 二 新堀|端に龍宝寺という大きい寺がある。それが和泉屋の
菩提寺で、その寺参りの帰り途にかの大鯉を救ったのであると、梶田老人は説明した。鯉....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
で、家族も知らなかった。 閏七月二日の朝五つ時(午前八時)に金助の葬儀は小梅の
菩提寺で営まれた。その会葬者のうちに延津弥との関係を知っている者があって、中田屋....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
方の祖父伯父また叔父、続いて祖母伯母また叔母などの葬られた、名も寺路町というのの
菩提寺であった。――父母の墓は東京にある。―― 寺と寺との間に、亡者の住居に石....
「春の修善寺」より 著者:岡本綺堂
彼は沼津の生れではなかった――その出生地をわたしは聞き洩らした――せめては故郷の
菩提寺に被害者の石碑を建立して、自分の安心を得たいと思い立って、その後一年ほどは....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
よりも一層もの寂びている。僕は萩寺の門を出ながら、昔は本所の猿江にあった僕の家の
菩提寺を思い出した。この寺には何でも司馬江漢や小林平八郎の墓の外に名高い浦里時次....