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華やか
「華やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
華やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
そ四五間もあろうか。竹で造った骨組みの上へ紙を張って、それに青と赤との画の具で、
華やかな彩色が施してある。形は画で見る竜と、少しも変りがない。それが昼間だのに、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。 センティメンタリストの痛ましくも甘い涙は私にはない。ロマンティシストの快く
華やかな想像も私にはない。凡ての欠陥と凡ての醜さとを持ちながらも、この現在は私に....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
泣いてる中にクララの心は忽ち軽くなって、やがては十ばかりの童女の時のような何事も
華やかに珍らしい気分になって行った。突然華やいだ放胆な歌声が耳に入った。クララは....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
いや、御苦労でした――」 おやおや、会場は近かった。土橋寄りだ、と思うが、あの
華やかな銀座の裏を返して、黒幕を落したように、バッタリ寂しい。……大きな建物ばか....
「橋」より 著者:池谷信三郎
なイメエヂなのです。彼女が自分を女優だと言う時、事実彼女は、どこかの舞台の上で、
華やかな花束に囲まれたことがあるのです。令嬢だと言えば、彼女は寝床も上げたことの....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
たかも古い腐った棺桶に金鍍金をして、新しい灰色の総で飾られたようなものであった。
華やかな服装をした皇帝の使臣たちは、ラザルスのうしろから結婚式の行列のように騎馬....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
◇ 花火について見るも、今日に較ぶればとても幼稚なもので、今見るような
華やかなものはなかった。何んの変哲も光彩もないただの火の二、三丈も飛び上るものが....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
どけた踊をおどりました。人魚のひいさまも、はじめて海からでて来て、この晩のような
華やかな、たのしいありさまを目にみたときのことを、おもいうかべずにはいられません....
「旧作」より 著者:上村松園
すよ」 と、こうぜんと言い放たれたそうです。 その作品というのは、当時、自由
華やかな時代の作風で、とても今の時局には読み難いものなのでした。 しかし、その....
「作画について」より 著者:上村松園
花ざかりであると感じました。 そこで、その日の光景を絵絹の上へ移したのですが、
華やかな婚礼の式場へのぞもうとする花嫁の恥ずかしい不安な顔と、附添う母親の責任感....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
界で何番目かの大都にこの十年間に見ンごと盛り上ったそこで、長い間教育され、そこの
華やかな空気を吸って来ているだけ、当主傅介氏は、忰にも書いてやったように物分りが....
「瘤」より 著者:犬田卯
発見されて「金一封」で事なきを得ていたし、村内殆んど全部の地主たちは、かつて左翼
華やかなりし頃、この瘤の献身的な強圧のお蔭を被って滞りなく小作米を取り立てていた....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
お余りがある。冬の短い地方ではどんな厳冬でも草もあれば花もある。人の生活にも或る
華やかさがついてまわっている。けれども北海道の冬となると徹底的に冬だ。凡ての生命....
「寺町」より 著者:岩本素白
、これこそ真に死というものの、寂しさ静けさを見る気持がして、色々の意味から余りに
華やかになり過ぎた今の葬儀を見るよりは、はるかに気もちの良いものである。私は暫く....
「六日月」より 著者:岩本素白
に新京極の細い小路にはいる辺りは、通り切れぬほどの人出であった。四条大橋を渡って
華やかな祇園の通りは、暢ん気に歩いて居れば何時通っても楽しいところである。八つ橋....