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華車
「華車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
華車の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
切ったふうで、黙ったまま引き返して来た。身のたけも肩幅も葉子とそう違わないほどな
華車《きゃしゃ》なからだをわなわなと震わせているのが、肩に手をかけないうちからよ....
「或る女」より 著者:有島武郎
けて入り口を駆け上がって定子のそばにすり寄っていた。父に似たのだろう痛々しいほど
華車《きゃしゃ》作りな定子は、どこにどうしてしまったのか、声も姿も消え果てた自分....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
をロッカ・マジョーレの方に登る阪を、一つの集団となってよろけながら、十五、六人の
華車な青年が、声をかぎりに青春を讃美する歌をうたって行くのだった。クララはこの光....
「星座」より 著者:有島武郎
の女は少し露骨すぎる。星野に対してはあの近づきがたいような頭の良さと、色の青白い
華車《きゃしゃ》な姿とに興味をそそられているらしいし、俺を見ると、遠慮っ気のない....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
身を起こして、ひらりと御者台に乗り移れり。 渠の形躯《かたち》は貴公子のごとく
華車《きゃしゃ》に、態度は森厳《しんげん》にして、そのうちおのずから活溌《かっぱ....
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
ある社《やしろ》の桜の木で法師蝉《ほうしぜみ》が鳴くのを、一尺ほどの間近で見た。
華車《きゃしゃ》な骨に石鹸玉のような薄い羽根を張った、身体の小さい昆虫《こんちゅ....
「やもり物語」より 著者:寺田寅彦
ばで止め、暗い庭の方をじっと見ている。自分は父の机の前に足と投出したままで無心に
華車な浴衣の後姿から白い衿頸を見上げた時、女は肩越しにチラと振り向いたと思う間に....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
うしてまたそう作太郎を嫌ったものだろうねえ」おとらは前屈《まえこご》みになって、
華車《きゃしゃ》な銀煙管に煙草をつめながら一服|喫《ふか》すと、「だからね、それ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
吹き通り、銀子は何となし東京の空を思い出していた。 浦上は手足ののんびりした、
華車造りの青年であったが、口元に締りがなく、笑うと上の歯齦が剥き出しになり、汚ら....
「東京ロマンティック恋愛記」より 著者:吉行エイスケ
ゼットの夜会服をつつんだ、栗鼠の豪奢な毛皮の外套をつけたアトラクティブな夜の女の
華車な姿が、化粧鏡を恋愛の媾曳のための、こころの置場として、僕に微笑みかけている....
「恋」より 著者:渡辺温
きく書かれてあるのを見かけたことさえあったし、そんな道理はない筈です。――彼女は
華車《きゃしゃ》な両肩がぴんと尖った更紗模様の古風な上衣を着て、行儀よくいずまい....
「氷れる花嫁」より 著者:渡辺温
ぶ。 「あたし、寒くて寒くて、凍えそうだわ!」 17 青年はびっくりして、花嫁の
華車な人形のような体を抱き上げる。 青年の顔に恐怖の色。叫ぶ。 「ガタガタ慄えて....