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菲才
「菲才〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菲才の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ち慚汗《ざんかん》の背に流るるを覚ゆ。貧窮《ひんきゅう》、病弱《びょうじゃく》、
菲才《ひさい》、双肩《そうけん》を圧し来って、ややもすれば我れをして後《しり》え....
「虚構の春」より 著者:太宰治
情な青年の恋物語であり、シンセリティの尊さを感じたくらいで、……とにかく、浅学|
菲才《ひさい》の僕であります。これで失礼申します。私は、とんでもない無礼をいたし....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
うようなことを、ざっとお話ししたわけですが、最も深遠なこのお経を、私ごとき浅学|
菲才の者が講義するのですから、とうてい皆さまの御満足を得ることができなかったこと....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
刀のわざもこれまでである――こう思ってわしは寝る眼も休まず勤労して来たものだが、
菲才《ひさい》はいかにしても
菲才で、恥ずかしながらいまだ一風を作《な》すところま....
「私の文学」より 著者:織田作之助
なれるのが、この国の文壇だ。だから、私でも作家になることが出来た。私はただ自分の
菲才を知っているから、人よりはすくなく寝て、そして人よりは多くの金を作品のために....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
序文に代う 一日一題禿筆を呵し、百日百題凡書成る、書成って再閲又三閲、瓦礫の文章
菲才を恥ず。 昭和二十一年八月十七日より稿し初め、一日に必ず一題を草し、こ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
「レ・ミゼラブル」の翻訳を私が仕上げたのは、ずいぶん以前のことである。年少|
菲才《ひさい》の身をもって事にあたったので、意に満たぬ点が多々あった。しかるに今....
「申訳」より 著者:永井荷風
のを編纂し、文芸諸名士のカッフェーに関する名文を網羅して全冊を埋めていた。されば
菲才僕の如きものが、今更カッフェーについて舛駁《せんばく》なる文をつくるのは、屋....
「三国志」より 著者:吉川英治
、天雲も闢けるばかりであった。 袁紹はまた、諸将の礼をうけてから、 「われ今、
菲才をもって、首将の座に推さる。かかる上は、功ある者は賞し、罪ある者は必ず罰せん....
「三国志」より 著者:吉川英治
前は、袁紹の従事として仕えていましたが、天子のご還幸を聞いて、洛陽へ馳せのぼり、
菲才をもって、朝に出仕いたしております」 「いや、不躾なことを、つい根掘り葉掘り....
「三国志」より 著者:吉川英治
っていました。故に、ひそかにお名を心に銘じ、あなたの徳を慕っていた拙者です。もし
菲才をお用いくださるなら何で労を惜しみましょう」 「かたじけない。人生の長い歳月....
「三国志」より 著者:吉川英治
州を継いでくれまいか」 「おひきうけできません。この大国、またこの難局、どうして
菲才玄徳ごときに、任を負うて立てましょう」 孔明はかたわらにあって、しきりと玄....
「三国志」より 著者:吉川英治
で、それが煩いの因じゃと申すのか」 「さればです。臣、草廬を出てよりはや十余年、
菲才を以て君に仕え、いま巴蜀を取ってようやく理想の一端は実現されたかの感がありま....