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萌え出る
「萌え出る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
萌え出るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
を吹き、頂上に登ると草餅を売る茶店もあって、銀子も朋輩と連れ立ち残雪の下から草の
萌え出るその山へ登ることもあった。夜は沖に明滅する白魚舟の漁火も見えるのであった....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
る。その結果この資本主義は、自然に下からの庶民(当時は大衆をそう云った)の側から
萌え出る代りに、上から政府が半ば強制的に助長発達させねばならなかったものであった....
「透き徹る秋」より 著者:宮本百合子
な空気の魅力を直覚する。私は流れる気流とともにある。春のように、個々の樹の根から
萌え出るものでないことを思い知らされ、直感する。心を鎮め、自然を凝視すると、あら....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
台の立て役者となったのである。国家精力の他のあらゆる分野においても同様であった。
萌え出る前の冬を蔽う雪はすでに解けてエリザベス朝的文化の眩しい春が、生活のなかへ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いだに、山桜は散って飛雪を舞わせ、空はやがて近い夏の色を湛えかけている。武蔵は、
萌え出る植物の本能のように、体のうちから外へ向って象われようとして熄まないものに....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
枯れてしまう酷しさだが、筑前守が攻め陥したあとには、何となく寒土から木や草の芽が
萌え出るようなものが残る。いったいこれは何の違いだろうか」 そのころから世人の....
「朝鮮の友に贈る書」より 著者:柳宗悦
志によって甦えらねば止まぬであろう。如何に世は寒いにしても、草はいつか地の懐から
萌え出るであろう。よし刃の勢いに攻められる事があっても人間そのものが朝鮮の運命を....
「文芸評論の方法について」より 著者:戸坂潤
芸評論の多少なりともの新しい芽生えに対して(之は例外なくマルクス主義哲学の畑から
萌え出るのだが)、評論に於ける体系というものの意味もロクロク考えて見たことのない....