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萌芽
「萌芽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
萌芽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「想片」より 著者:有島武郎
トとかを超越したところに芸術は存在すべきである。けれども私は衝動がそのまま芸術の
萌芽《ほうが》であるといったことはない。その衝動の醇化が実現された場合のみが芸術....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
、雄吉に対する大なる災難――それは青木に対してもやはり災難に相違なかった――が、
萌芽し始めていた。 それは、たしか雄吉らが、高等学校の三年の二学期のことだった....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
逃れたかった。彼は、自分自身からさえも、逃れたかった。まして自分のすべての罪悪の
萌芽であった女から、極力逃れたかった。彼は、決然として立ち上った。彼は、二、三枚....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
、隠すことの出来ない事実である。この日初めて民子を女として思ったのが、僕に邪念の
萌芽《めざし》ありし何よりの証拠じゃ。 民子が体をくの字にかがめて、茄子をもぎ....
「弓町より」より 著者:石川啄木
数年間の自然主義の運動を、明治の日本人が四十年間の生活から編みだした最初の哲学の
萌芽であると思う。そうしてそれがすべての方面に実行を伴っていたことを多とする。哲....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
成に関するロェブの研究/生命の消失に及ぼす温度の影響に関する新研究/原始生成説と
萌芽汎在説との融和の可能性/無限の概念に関する哲学上並びに科学上の原理の比較/観....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
相容れない一種の理想主義である。老子は西暦紀元前四世紀の人である。 道教思想の
萌芽は老※出現の遠い以前に見られる。シナ古代の記録、特に易経は老子の思想の先駆を....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て大風な微笑を泛べて、鎮子は再び、この事件に凄風を招き寄せた。
「な、なに、精神
萌芽説を※」と法水は、突然凄じい形相になり、吃りながら叫んだ。「では、その論拠は....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
思うが……』 万事は忍耐――それは少ない、極めて少ない。よしあっても、ただその
萌芽に過ぎない。われ等とても、決して人間に向って完全を求めはせぬ。われ等の求むる....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
が現われるようになれば、どれほど「紛々」として来るか分からない。今日でも既に其の
萌芽は十分にある。芸術を信ずるものと、民衆に望みを抱くものと、其の中間をぶらつい....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
分になる泥沙を残留するようにこの馬鹿々々しい滑稽欧化の大洪水もまた新らしい文化を
萌芽するの養分を残した。少なくも今日の文芸美術の勃興は欧洲文化を尊重する当時の気....
「西航日録」より 著者:井上円了
vis)嶺の横臥するあり、山嶺白雪皚々たり。故をもって気候なお寒く、木葉のいまだ
萌芽せざるものあり。インバネスは北緯五十七度半の所にありて、露都の六十度に比すれ....
「芸術は生動す」より 著者:小川未明
る者は同時にある事を信ずる人々でなければならない筈です。芸術家の貴い信念はこゝに
萌芽します。彼等のすべてが人道主義者として、また殉教的な敬虔な心の持主として、人....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
初めて世に出た。この論文の中には、その後さらに複雑に展開したロランの二つの要素の
萌芽が一つに結合している。一つの要素は歴史家として記録と事実とを学的良心をもって....
「筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
の地下深く竹の芽、すなわち筍を掘って有名であるが、筍は降雪期の前、すでに地下深く
萌芽しているから、別にふしぎなことではない。 京阪の一流料理屋が暮の中から、初....