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萎々
「萎々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
萎々の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
映る時、八十年にも近かろう、皺びた翁の、彫刻また絵画の面より、頬のやや円いのが、
萎々とした禰宜いでたちで、蚊脛を絞り、鹿革の古ぼけた大きな燧打袋を腰に提げ、燈心....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
――昨日坊さんを払ったように、目口に灌ぐ浪を払い払いする手が、乱れた乳のあたりに
萎々となると、ひとつ寝の枕に、つんと拗ねたように、砂の衾に肩をかえて、包みたそう....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
の大椿に向っていきなり矢を番えた。(椿ばけ――ばたり。)と切って放すと、枝も葉も
萎々となって、ばたり。で、国のやみが明くなった――そんな意味だったと思います。言....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
剛神の大草鞋は、宙を踏んで、渠を坂道へ橇り落した。 清水の向畠のくずれ土手へ、
萎々となって腰を支いた。前刻の婦は、勿論の事、もう居ない。が、まだいくらほどの時....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、夕方のまだ薄い月の光に、白露のおいた庭に蟋蟀が鳴いている。それを聞くとわが心も
萎々とする、というのである。後世の歌なら、助詞などが多くて弛むところであろうが、....