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落っこちる
「落っこちる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
落っこちるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
でも、ジュール・ラフォルグの詩にあるように 哀れなるかな、イカルスが幾人も来ては
落っこちる。 私も何遍やってもおっこちるんですよ」 そう言ってK君は笑いまし....
「入れ札」より 著者:菊池寛
てて行かれたくねえや。 弥助 もっともだ。だが、心配することはいらねえや。お前が
落っこちる心配はねえ。 九郎助 そうじゃねえ。怪しいものだ。どうも俺に札を入れて....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
夫だけの穴が開いて居る、全く、彼の寝台が陥穽で、床が外れて、寝て居る人ぐるみ下へ
落っこちる様になって居るのだ。
此の様な惨酷な仕組みが有ろうとは思わなんだが、....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
坂の方らしい。 「あっし達の献納した愛国号の働きも、一向無いと見えて、この爆弾の
落っこちることァ、どうです。防護隊というのがあるということだが、死人同様だァな、....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
らね。本当にこうして坐っていたって、しょっちゅう、ヒヤ/\しているんだよ。」 「
落っこちる人は、あんたじゃなくってボーイやほかの野郎ですよ。」 「いや/\なか/....
「梨の実」より 著者:小山内薫
子供が泣きながら、こう言いました。 「お爺さん。御免よ。若し綱が切れて高い所から
落っこちると、あたい死んじまうよ。よう。後生だから勘弁してお呉れよ。」 いくら....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
るんだわ。」 「勝手にしやがれ。」 「あれ。」 「ちっとやけらあねえ。」 「溝へ
落っこちるわねえ。」 「えへん!」 と怒鳴って擦違いに人が通った。早や、旧来た....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いか、ところもあろうに、あんまりばかばかしい」 「そりゃ木鼠《きねずみ》も木から
落っこちることがある、転んだところで怪我さえしなけりゃなあ」 「怪我もちっとばか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を隔てての道庵が、 「べらぼう様、這い出してみたところで、そう易々《やすやす》と
落っこちる道庵とは、道庵が違うんだ」 と、寝言のように言いました。 米友が道庵....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
な訓練は、私もまだ見たことがありません。横棒が渡してあるので、馬も人も、舞台から
落っこちる心配はありません。 皇帝は、これがすっかりお気に召したので、何日も/....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
がおしまいになって、そしてまた始まるのだからさ。おまえは山のてっぺんから穴の底へ
落っこちるような気持を経験したことがあるかい、夢にでも見たことがあるかい? とこ....
「霧の中」より 著者:豊島与志雄
よ。」 「そんな泣き方ってあるかい。」 「なぜだい。」 「そんなの、高いとこから
落っこちる時、わあっと声をたてるようなもんじゃないか。」 「ちがうよ。」 「喧嘩....
「鯉」より 著者:豊島与志雄
た片足を宙に浮かしたまま、ステッキの釣竿を投り出し、両手で岩角につかまって、池に
落っこちることだけは免れた。 漸く我に返ってから、僕は釣竿の行方を探してみた。....
「失策記」より 著者:豊島与志雄
てみて、ひとり楽しんだのである。例えば、河に落ちた者から救いを求められる時、河に
落っこちるような粗忽な者には危なくて手は差出されぬ、なんかと。 然るに、数日後....
「春心」より 著者:田中貢太郎
へい」 平吉はまたとぼけるように云って渋紙包を受けとった。 「ぼやぼやしてると
落っこちるよ」 「へいッ」 平吉は階段をあがって往った。お高はその平吉の厚子の....