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「落付き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

落付きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
川丘みどりを引出して、云い忘れたことはないかと尋ねたところ、彼女は前よりもすこし落付きを見せて答えた。 「わたし、ちょっとしたことを忘れていましたのよ。それは倶....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
微光が漾っているせいか、なんとなく弱々しい暗さを持った大広間だった。段々と気持も落付き、この上強いて気になることを神経質に数えあげるならば、主人公の顔貌が能面で....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
貴族出の人のように思われるのだった。しかし、その上品な風采に似ずその青年はまるで落付きがなかった。二三歩いってはキョロキョロ前後を見廻わし、また二三歩いっては耳....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
した」 「御主人以外の誰れか」 「誰れもいません」 「ははア」 司法主任は割に落付きすました美しい不二の眼隈の辺を見詰めながら、これでこの女が嘘をついていると....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
失業海員の中から、砲手を一人雇って行ったと云うのだ。その船長は、なにか事ありげに落付きがなく、顔を隠すようにしていたが、玄関口で雇入れの契約中を立聞きした一人の....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、大事に育てられているのだ。すでに七八|歳になっているので、ちょっと中年を過ぎた落付きを持っているので、その魅力は垢脱けがしていた。 しばらく眺め入った後、復....
食魔」より 著者:岡本かの子
う。死の外にそれがあるか。必ず来て総てが帳消しされる死、この退っ引ならないものへ落付きどころを置き、その上での生きてるうちが花という気持で、せいぜい好きなことに....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
つきました。兄は直ぐに気がついて助け起しました。 「さあ奥さん。こうなれば私達は落付きをとりかえさなければなりません。詳しいお話をうかがうことによって、一番いい....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
穏かでなかった。 だが乃公は、ここで慌てるのは恥かしいと思った。飽くまで悠々と落付きを見せて、卓子の方へ近づき、二人を背にして腰を下ろした。そして洋盃の中に酒....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
面に浸みるように、私の荒んだ胸に融け込んで行きました。お蔭で私はそれから幾分心の落付きを取り戻し、神さまの仰せにもだんだん従うようになりました。人を見て法を説け....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
身の親鸞さまの御影像もお迎え申し、据わるところに据わって頂かんことにゃ、何となく落付きが悪い。仏造って魂入れずと言うこともあるからなあ』 信徒一『そりゃわいども....
妖影」より 著者:大倉燁子
血が一時に頭にのぼるように思った。 眩暈がして倒れそうになったが、軈ていくらか落付きを取り戻し、冷静になると昨夜からのいろいろのことが頭に浮んできた。 ウイ....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
また暴力団かと思ったんだ。アハハハハハ。して君は一体どなたでしたっけ?』 漸く落付きを取り戻し平静にかえった弟は、静かに私を眺めて姓名を思い出そうとしていまし....
和製椿姫」より 著者:大倉燁子
と飛石伝いに歩いているような類だった。そして、東山春光の懐へ入って、そこを最後の落付き場所とでも思っていたのか、その後ふっつりと噂がなくなってしまった。 「東山....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
は通路で話していた彼の声を聞いていたのだから。 彼女の驚いている顔を見ながら、落付き払って、 「私は脱獄囚尾越千造でございます」と名乗った。洋子は二度びっくり....