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落付く
「落付く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
落付くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「党生活者」より 著者:小林多喜二
妾《めかけ》をしているらしかった。 須山や伊藤から荷物を一通り集めて、ようやく
落付くと私はホッとした。たゞ下の室に同宿の人がいるのが欠点だった。それで、第一に....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
月十九日 ◯村上(元三)君来宅。 ◯岡東浩君来る。うれし。 ◯ようやく気もだいぶ
落付く。されど、考えれば考えるほど苦難の途なり。任はいよいよ重し。 ◯夜半、忽然....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
うちに、雪だるまのように大きくなった。それが職工たちを無遠慮に掻き廻わした。皆は
落付くことを忘れてしまった。休憩時間を待ちかまえて、皆が寄り集った。職長さえその....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
うですね。それでは、本当に安心していて、いいわけですね」 宮川は、はじめて気が
落付くのを感じた。 その後、矢部はちょくちょく宮川のところへやって来た。そして....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
中に収容を終りました。しばらくそこで休息していてください。そのうちに、貴方の気が
落付くように、誰かをそこへ迎えに行って貰います」 博士は淀みなく陳べたてた。 ....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
いからに云うので膝に於てよろしき位いのアクサンがある、それから両足となって地上に
落付くものである、五本ずつの指ともなる、此のよろしき構成はあらゆる絵の構図のよい....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
る所は、以上の如き人達ではなく、之に反して神を知り愛と慈悲とに燃え、やがて自分の
落付くべき来世生活につきての知識を求むる、素直な魂の所有者である。が、悲しい哉、....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
くれ、そして私の社で使ってくれ、というのだが、もとより一時のことで、いずれは心が
落付く、然しそれまで、ともかく一日二日はヤス子さんに泊めていたゞくがよろしいかも....
「後記にかえて〔『教祖の文学』〕」より 著者:坂口安吾
豪傑や高僧になろうと試みるかも知れないが、結局は遊吟詩人とか琵琶法師というものに
落付くようなタチであろうと思っている。 思うに、小林秀雄も政治家にはならないタ....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
らいますから、ちょうど、よいわ。三週間もすぎるうちには、たいがい、あの人の気持も
落付くでしょう。自分勝手ばかり言うから、あんな男はキライですよ」 と、弟に留守....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
と高田は李を介抱して榻にかけさせ、柳は茶碗に水を汲んで来て飲ませる。これで少しく
落付くと、高田も棚の茶碗を把りてバケツの水を飲む。) 柳 (不安らしく。)急にど....
「風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
いて、更に現在の大久保百人町に移転することになった。いわゆる東移西転、どこにどう
落付くか判らない不安をいだきながら、ともかくもここを仮りの宿りと定めているうちに....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
めている。曾てこの茶碗に唇を触れた武士も町人も美人も、皆それぞれの運命に従って、
落付く所へ落付いてしまったのであろう。 植木屋の忰が松の緑を摘みに来た。一昨年....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
あろうはずはなく、さんざん探し抜いた揚句の果に、河野義博君の紹介でようようここに
落付くことになったのは、まだしもの幸いであるといわなければなるまい。これでともか....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
ることなどは思いも寄らない。唯岩蔭である為に風が当らないのは幸であった。体が少し
落付くと腹の空いていることに気が付く。大岩から流れ落ちる雨水を飯盒に受けて湯を沸....