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「落付ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

落付けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
勝五郎の世話で両児《ふたり》を漸《ようよ》う片附けましたから、是れよりお若の身を落付けるようにして遣ろうと心配いたして、彼方此方《あっちこっち》へ縁談を頼んでお....
道標」より 著者:宮本百合子
し、ロシア語は全然知りません。いかがでしょう、何とかあなたとヨシミさんとで、彼を落付けるようにしてやって頂けますまいか」 伸子は、何だか話がさかさなような気が....
小景」より 著者:宮本百合子
い。が、あの身なりで其は覚つかない。慾しい慾望と不可能と云う事実との間にどう心を落付けるかと云うところまで、推論して行く几帳面さを彼は持っているから。 ところ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しょうか」そういう工合でやっているし、これからやってゆくでしょう。あの人はそれで落付けるのです。そういう種類で初めて落付ける。そうらしい。家はまだ一度も訪ねず。....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しつつあるでしょうか。 この間、生活というものは背水の陣をしいてしまわなければ落付けるものでない、とおっしゃったこと。耳と心にのこり、面白く翫味《がんみ》して....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
をしずめます。お茶なんか、先ずすべての手順が、(湯が釜でわく音をきくに至る)気を落付けるために出来ているのね。このお湯のわいている音は一つの活々した伴奏で、私の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
のね、全くオカメがいないと落付けないのね、よりよく動いている部分があってもそれで落付けるというものでないというところが面白い。生活の日常性の粘りのつよさというこ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の机です。こう冷たくては堅い木がむき出しではたまらないから、机かけでもかけた方が落付ける。でも程いいのもない、厚くて、ものをのせたり書いたりしてずらないようなの....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
すから。しかし、太郎も、こうして勉強するのが、自然と地になっている人間がいると、落付けるらしくて何よりです。勉強なんて、つまるところ、頭の体操ですものね、大切な....
二つの途」より 著者:豊島与志雄
寸次の室に坐って、火鉢に炭をついだ。それからまた画室に戻って来た。椅子の上に身を落付けると、前夜の睡眠不足のために、胸の奥がかすかに痛むようで、頭が妙にほてって....
理想の女」より 著者:豊島与志雄
なかった。夕食は沈黙の間に終った。私はまた二階に上った。しいて書物を読んだ。気を落付けるために、長谷川へ手紙――取り留めもない感想――を書いた。そのうちに気が散....
白日夢」より 著者:豊島与志雄
か、と私は幾分安堵の思いをして、帽子やマントを脱ぎ捨てて其処に坐った。そして気を落付けるために茶を飲んだ。 「あら、お羽織は?」 喫驚して自分を顧みると、羽織....
公孫樹」より 著者:豊島与志雄
レストーランで、簡単に飯を食うことにした。 所が、そのレストーランの二階に腰を落付けると、自然と眼の向く表通りに、やはり公孫樹の街路樹が植っていて、小さな可愛....
奇怪な話」より 著者:豊島与志雄
だけの間柄で、さほど親しいというわけではないが、偶然、小料理屋の一隅に一緒に腰を落付けることとなったのである。 私も彼も、よく酒を飲んだ。話は各方面に飛び移っ....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
に戸山ヶ原騎兵連隊の営倉にぶちこまれた。真暗で妙なにおいだけが鼻につく営倉の中で落付けるわけがない。翌日の夜練兵場に引張り出されたときはもうだめかと思った。しか....