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「落差〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

落差の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
《しりはしおり》、紺足袋に雪駄穿《せったば》き蝋色鞘《ろいろざや》の茶柄の大小を落差《おとしざ》しにしてチャラリチャラリとやって参りました、此の武家にお筆が頼み....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
込の一叢茂る藪の中へ身を縮め、息をこらして匿れて居りますと、顔を包んだ侍が大小を落差にいたして、尻からげに草履を穿いたなり、つか/\/\と参り、 大「これ有助」....
文学と地方性」より 著者:宮本百合子
この動機からであったと思える。都会のもっている文化と地方の生活の中にある文化との落差は、はたで一口に云えないニュアンスをもって深刻に存在している。都会の文化の中....
『静かなる愛』と『諸国の天女』」より 著者:宮本百合子
いた批評などはかけず たゞどもるばかり(冬) けれども、「草に寄す」「夏」「落差に就いて」「わが肉は新陳代謝はげしく」などにもり上りほとばしる感情の勁靭さ、....
認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
価尺度の関係も亦、そういう仕組みに他ならない。 位置のエナージーの差は、一定の落差を与える。そこに水という認識作用さえ加わればである。処がこの落差は、磁石の間....
社会時評」より 著者:戸坂潤
転向・転下によって、このエネルギーがディスチャージ(?)されるわけだ。云わばこの落差の大きい程、改悛の状が顕著なわけである。――で、今度の改正案は、この落差を出....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
に都市住民への負担加重を意味している。インフレーションによって物価と収入との間の落差が生じる処へ、直接の増税と増税負担の消費者への転嫁とが来る。商工業者にとって....
図書館に生きる道」より 著者:中井正一
確認し、その驚きを沈め、この法則の中に、生活そのものを溶かし込むことである。水の落差は、その法則の線を辿って、電気となり、光となって、都会をつくり、千里の道を運....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
さきほどまではこの近くに姿は見えなかった。 無反《むぞり》の長物《ながもの》を落差しにし、右を懐手にして、左手で竿をのべている。月代《さかやき》は蒼みわたり、....
「良書普及運動」に寄せて」より 著者:中井正一
のテネシー谿谷の水を合理的処理をすることで、かつて、洪水で人々の苦労の種であった落差が、今や、電力となり、木材の運搬の水路となり、光と、動力の根源とさえなったこ....
隠亡堀」より 著者:国枝史郎
は刀へ手を掛けた。いやいや抜きはしなかった。 剛悪振りを見せようとして、グイと落差にした迄であった。 「ふんだんに燃やせよ、焼酎火をな」 非常にゆっくりした....
雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
が出来るのであろうかと思われた。 水力発電所が何カ所かある。その中には日本一の落差で有名だというのがある。大正池からそこまで二里に近い道程を山腹に沿うて地中の....
文化の日」より 著者:吉川英治
もうそこの地方村落や小さい町には、東京のネオンの海とは余りにも谷底を隔てたように落差があって、今日の文化には恵まれないものがたくさんある。都心の下層部もまたそう....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
大きに凌ぎよい。右手に水力発電所がある。奥平沢から片貝川の水を引き入れて、此処で落差百尺の水力を利用するのだそうな。前平沢の人家が朴の木や橡の木の間にまばらに見....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
下って案内者の平蔵に黒部を泳ぎ渡らせたという場所に違いない。実際それから下は河の落差が急に加わって、水勢一段と激しく、白く泡立つ大うねりが仙人谷の出合附近で巨岩....