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「葉脈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

葉脈の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
博物誌」より 著者:岸田国士
いざわめきも聞き逃さない。そしてすべての樹木と相通じるために、彼の神経は木の葉の葉脈に結びつく。 やがて、興奮のあまり気持がへんになってくる。何もかもはっきり....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
頑健そのもののN老人が立ちながら、その頭の上の蕗の葉の一つを仰いだ。 驚くべき葉脈の太い線。その亀の子形。 緑色の太陽。 ポキリと音がした。 あっ、折っ....
芝刈り」より 著者:寺田寅彦
のを見ていると、ほんとうに天界の甘露を含んだ一滴一滴を、数限りもない若芽が、その葉脈の一つ一つを歓喜に波打たせながら、息もつかずに飲み干しているような気がする。....
藤棚の陰から」より 著者:寺田寅彦
カラジウムを一|鉢買って来て露台のながめにしている。芋の葉と形はよく似ているが葉脈があざやかな洋紅色に染められてその周囲に白い斑点が散布している。芋から見れば....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
わかる。 一体にクラシックな画風で、日暦《カレンダー》の日づけや草の葉の細かい葉脈まで克明に描《か》いてあり、襞《ひだ》の深い丸い丘や城のような建物の背景のぐ....
石狩川」より 著者:本庄陸男
のお》の勢いに巻きあげられた笹の葉の燃え殻が天から降って来た。焼けてもくずれず、葉脈のあとを白いすじにして、黒い葉形をそのままに、枯葉のように落ちて来た。 屯....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
をもって左右に相抱《あいいだ》き、葉面《ようめん》の中央には隆起《りゅうき》せる葉脈《ようみゃく》が現《あらわ》れている。花が了《お》わると果実ができ、熟《じゅ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
どんな色の菊でしょうか。いもの葉のようなのはペラゲアというのでしょうと思います。葉脈の色がちがうのでしょう? そんなに新しい葉を萌え立たせたというのは本当に感心....
透き徹る秋」より 著者:宮本百合子
家々の眺めに、興味深く心を牽かれずにはいられないのである。 けれども、今私は、葉脈の太くなり落葉し始めた同じ桐の梢を仰ぎ、何を第一に感じるだろう。 空気だ。....
夜の靴」より 著者:横光利一
る。蝿の飛びまう羽音。馬鈴薯の転がった板の間の笹目から喰み出した夏菜類の瑞瑞しい葉脈――雨が霽れたり降ったりしている。 寺の和尚、菅井胡堂氏がおはぎを持って来....
旅愁」より 著者:横光利一
は味噌汁に入れる葱をナイフできざんだ。雪を冠った鉾杉の幹の下でぷつぷつ切れてゆく葉脈の匂いが強く発ち、あたりの雪の白さが急に眼に滲みついて痛んだ。 矢代が小屋....