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「葉隠れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

葉隠れの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
行人」より 著者:夏目漱石
風の音さえ聞こえない事があります。多少やかましいと思うのは珊瑚樹《さんごじゅ》の葉隠れにぎいぎい軋《きし》る隣の車井戸《くるまいど》の響ですが、兄さんは案外それ....
ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
、はじめてほがらかになることだろう。 私は常緑地帯を歩きつづけながら、その暗い葉隠れのすきまからキラキラする星座をあおいで、深い呼吸をした。それは私の苦行を激....
白くれない」より 著者:夢野久作
見し紅化粧したる天女たちとは事変り、その物腰のあどけなさ、顔容のうひ/\しさ、青葉隠れの初花よりも珍らかなり。 われ、かく思ひつゝも恭しく礼を返し、教へられし....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
たという。 こうした奈良原少年の精神こそ、玄洋社精神の精髄で、黒田武士の所謂、葉隠れ魂のあらわれでなければならぬ。玄洋社の連中は何をするかわからぬという恐怖観....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
こかで何の鳥か一つ鳴出した。何、正体を見れば、閑古鳥にしろ、直そこいらの樹の枝か葉隠れに、翼を掻込んだのが、けろりとした目で、閑に任かして、退屈まぎれに独言を言....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
るのでした。 不図気がついて見ると、向うの崖を少し削った所に白木造りのお宮が木葉隠れに見えました。大さは約二|間四|方、屋根は厚い杉皮葺、前面は石の階段、周囲....
青春論」より 著者:坂口安吾
言されてみると、宮本武蔵の後悔すべからず、と、僕の後悔すべからずでは大分違う。『葉隠れ論語』によると、どんな悪い事でもいったん自分がやらかしてしまった以上は、美....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ように人々が集まっていた。南国の空はよく晴れて朝陽がキラキラと輝いている。椰子の葉隠れに啼いている鳥も今日の門出を祝うようだ。一台の自動車が見物を分けて静かに前....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
流れているから、人々の目には一枚の葉ッパが浮いて流れているとしか見えない。これを葉隠れという。カメは水中に魚をとる姿を人に見られるのがキライだから、自然に体得し....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
な気風が少からずありますな。そして、長崎の女は、他の九州の女のように武士道的に、葉隠れ的に、また切支丹的に身を守らずに、かなり自由な自分の感情だけで身を守ってい....
おせん」より 著者:邦枝完二
れとは変った清い姿を、水鏡に映すたわわの風情。ゆうべの夢見が忘れられぬであろう。葉隠れにちょいと覗いた青蛙は、今にも落ちかかった三|角頭に、陽射しを眩ゆく避けて....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
。料亭も、その時始めてはいったのでした。樹が繁っていますから月はよく見えなくて、葉隠れに光が射すだけです。ただおずおずと珍しい御馳走をいただいていました。お嬢さ....
句合の月」より 著者:正岡子規
が木葉《このは》がくれにちらちらして居る所、即ち作者は森の影を踏んでちらちらする葉隠れの月を右に見ながら、いくら往ても往ても月は葉隠れになったままであって自分の....