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著しい
「著しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
著しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
《みずか》きのついていることも「水虎考略《すいここうりゃく》」などに出ているのと
著しい違いはありません。身長もざっと一メエトルを越えるか越えぬくらいでしょう。体....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
せん。只《ただ》言外に否定している、――これはこの『それだけだ』と言う言葉の最も
著しい特色であります。顕《けん》にして晦《かい》、肯定にして否定とは正に『それだ....
「或る女」より 著者:有島武郎
の中から高熱のために一種の臭気が呼吸のたびごとに吐き出される、その臭気が口びるの
著しいゆがめかたのために、目に見えるようだった。貞世は葉子に注意されて物惰《もの....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
がんみ》して自分たちの立場に対して観念の眼を閉じるためであるという点において最も
著しいものだ。第四階級者はかかるものの存在なしにでも進むところに進んで行きつつあ....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
を実行せよ」と後世へ言い遺すのである。それでその遺物の大《おお》いなることは実に
著しいものであります。
われわれのよく知っているとおり、二千年ほど前にユダヤの....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
距離を感じたのではなかったろうか。そして動物中に行われる現状打破の本能を際立って
著しいものと認めたのではなかったろうか。然しその時学者達の頭の中には、個性は社会....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
がっている一万年足らずの間における進歩はもちろん有史以前のそれに比べてははるかに
著しいものにちがいない。中世においては、この時代の目標となるくらいに、文化関係の....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
男の死因は主として飢餓によるものと判明した。尚屍体の特徴として、左|肋骨の下に、
著しい潰瘍の存することを発見した。しかしその成因其他については未詳であるが、とに....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
れるほどの糸の音も乱れず、唇を合すばかりの唄も遮られず、嵐の下の虫の声。が、形は
著しいものではない、胸をくしゃくしゃと折って、坊主頭を、がく、と俯向けて唄うので....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、人立の薄さに、植込の常磐木の影もあらわな、夫人の前へ寄って来た。 赤鬼が最も
著しい造声で、 「牛頭よ、牛頭よ、青牛よ。」 「もうー、」 と牛の声で応じたの....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
妥当を欠く非難を免れまい。では菊池寛の作品には、これらの割引を施した後にも、何か
著しい特色が残っているか? 彼の価値を問う為には、まず此処に心を留むべきである。....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
られて敵役となるのがきまりだ。中世以降、なかんずく徳川期におよんでその傾向は最も
著しい。 このような社会にあつてはすべてにおいて持つてまわつた謎のような表現が....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
の胴を横にしたような形の筋肉の隆起があつたが、これは松之助を他の人と区別する最も
著しい特徴であつた。 こんなつまらぬことを研究していたために、当時の私は知能の....
「映画の普及力とは」より 著者:伊丹万作
三に画面の大きさや鮮明度など我々の観賞欲を満足せしめる諸条件において館と家庭では
著しい径庭があることが予想される。だから映画館の経営者は決してびくびくすることな....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
は十三回の会戦中敗北三回で、十回の勝利のうち六回は優勢の敵を破り、一回といえども
著しい優勢をもって戦った事はない。有名なロイテンの如きは二倍強、ロスバハは三倍の....