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葛藤
「葛藤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
葛藤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
いらっしゃいよ。」と、嬌嗔《きょうしん》を発したらしい声を出した。――
こんな
葛藤《かっとう》が一週間に何度もある。従ってお君さんは、滅多にお松さんとは口をき....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
悪魔の何たるを知らず、況《いわん》やまた、天地作者の方寸をや。蔓頭《まんとう》の
葛藤《かっとう》、截断《せつだん》し去る。咄《とつ》。
(大正七年八月)....
「或る女」より 著者:有島武郎
のたうち回るのを見やる蛇使いのように、葉子は冷ややかにあざ笑いながら、夫人の心の
葛藤《かっとう》を見やっていた。
単調な船旅にあき果てて、したたか刺激に飢えた....
「或る女」より 著者:有島武郎
うへ貞世を連れて行く時間はただ矢のように飛んで過ぎると思えた。
この奇怪な心の
葛藤《かっとう》に加えて、葉子の健康はこの十日ほどの激しい興奮と活動とでみじめに....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
い事を僕に信ぜしめる。しかし僕はこの上の想像を避けよう。ともかく君はかかる内部の
葛藤の激しさに堪えかねて、去年の十月にあのスケッチ帳と真率な手紙とを僕に送ってよ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、緩慢な歩き方はしていない。自分の生命が脅かされているくせに、外界に対してなお閑
葛藤を繋いでいるようなお前に対しては、恐らく私は無慈悲な傍観者であるに過ぎまい。....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
どうしようもなかった。こだわったまま妙な方面へ忿懣を飛ばした。――少くともかかる
葛藤を母に惹起させる愛憐至苦のむす子が恨めて仕方がなかった。何も知らずに巴里の朝....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
て以来、日がたつにつれどれ程懐しんで居たか知れない。葉子の鎌倉日記に書いた氏との
葛藤、氏の病的や異常が却って葉子に氏をなつかしく思わせるのは何と皮肉であろう。だ....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
舞うんです。結局、何も彼も白々しくてつまらなくなるんです。その自分の内部の矛盾や
葛藤でますます僕の精神は欠陥を生じ、だんだん蝕まれて行く……… 僕の世界は白々....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
。それもいいが、いつまでもサッパリしないでネチネチと際限なくごてるのお道との三角
葛藤はしばしば問題となるが、馬琴に後暗い弱点がなくとも一家の主人が些細な家事にま....
「二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
モ死身になれない」という。近代思想を十分理解しながら近代人になり切れない二葉亭の
葛藤は必ず爰にも在ったろう。 二葉亭に限らず、総て我々年輩のものは誰でも児供の....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
と、極めて漠然たる話をした事があった。大雑駁にいえばツルゲーネフ等に倣って時代の
葛藤を描こうとしたのは争われないが、多少なりともこれに類した事実が作者の視聴内に....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
れて、天下国家的構想には少しも興味を持たないでやはり市井情事のデリケートな心理の
葛藤を題目としている。何十年来シベリヤの空を睨んで悶々鬱勃した磊塊を小説に托して....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
は豪州いたるところ、旧教は英国宗をしのぐほどである。したがって、その両宗の間に大
葛藤の暗潮があるらしい。 かくのごとく両教徒が互いに反目敵視しておるにもかかわ....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
ました。その先の事は大奥様はお言葉をお濁しになりましたけれども、何か弟様との間に
葛藤がおありになったらしく、大奥様は棄て鉢におなりになり、傍にあった海軍ナイフを....