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葬り
「葬り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
葬りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
く、絶所、僻境を望んで飛騨山中の電信局へ唯今赴任する途中である。すでに我身ながら
葬り去った身は、ここに片袖とともに蘇生った。蘇生ると同時に、罪は死である。否、死....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
、家を出る時から、拾った場所へ旧の通り差置こうというではなく、ともあれ、沼の底へ
葬り返そうとしたのであるが、いざ、となると汀が浅い、ト白骨は肋の数も隠されず、蝶....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
ば深更|一縷の燈火をもお貞は恐れて吹消し去るなり。 渠はしかく活きながら暗中に
葬り去られつ。良人を殺せし妻ながら、諸君請う恕せられよ。あえて日光をあびせてもて....
「転機」より 著者:伊藤野枝
る。しかし、この新らしい高い堤防が役立つ時には、それも新らしい一大貯水池の水底に
葬り去られてしまうのであろう。人々はそんなかかわりのないことは考えてもみないとい....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
面に侵入できるんだ。そこで早速飛行島から爆撃飛行団を飛ばせて、一挙にトーキョーを
葬り去るんだ。なんといういい役どころではないか。われわれ飛行島戦隊なるものは、日....
「蠅男」より 著者:海野十三
も、この『縮小人間』を殺してしまいたいと思う。そうすることが、自分の研究を永久に
葬りさり、そして万一『縮小人間』が世の中に飛びだして、前代未聞の超人的暴行を働く....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
めながら云った。 「上流の家庭内に起った事件というものは、よく、うやむやのうちに
葬り去られて、その真相は永久に、社会の表面にはあらわれずじまいに終ってしまう、と....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
日あの恐しい鉄の扉の中に入るのです。彼は私の資産を横領したのみでなく、私の一生を
葬り去ろうと企んだ、それだけだって許し難いのに、その上なお最愛の女をも奪ってしま....
「古事記」より 著者:太安万侶
ナミの命は出雲《いずも》の國と伯耆《ほうき》の國との境にある比婆《ひば》の山にお
葬り申し上げました。 ここにイザナギの命は、お佩《は》きになつていた長い劒を拔....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
も知らぬ海。あらゆるものを育みそだて、あらゆるものを生きて働かせ、あらゆるものを
葬り呑んで行く海。その中のこまかい組立てを見ますと、山あり川あり、月あり星あり。....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
青山の草露しげき塚の主となり給いつ、その間に一人の叔母と一人の姪をも併せてここに
葬りたれば、われは実に前後五|度、泣いてこの墓地へ柩を送り来りしなり。人生漸く半....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
……」 「それにもお話があります。小三津の死骸は師匠の小三が引き取って、海光寺に
葬りました。これは庄太の菩提寺です。その葬式の済んだ晩、照之助がそっと忍んで来て....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
落葉を掃いていた。 この時|恰も市郎の姿が見えた。市郎は庭の空地にトムの亡骸を
葬り了って、鍬を片手に奥の方へ行くらしい。お葉は其姿を見ると共に、有合う小石を拾....
「おじいさんの家」より 著者:小川未明
て、お母んも悲しまれました。 みんなは相談をして、ボンをていねいにお寺の墓地へ
葬りました。そうして、坊さんに頼んでお経を読んでやりました。その当座、正雄はボン....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
棺槨の外から、君が風間九十郎を透視した理由を聴こう。僕は、それを不思議現象だけで
葬りたくはないのだよ」 「それは支倉君、実は斯うなのだ。孔雀の瞬きが、ある一つの....