葵の上[語句情報] » 葵の上

「葵の上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

葵の上の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
じめました。お母様はお台所で髪《おぐし》を上げておいでになったようですが、私が「葵の上」を弾いて、「青柳《あおやぎ》」を弾いて、それから久しく弾かなかった「乱《....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ていうの生成ってね」月子の説明は真面目であった。 「おやここに般若があらあ」 「葵の上、道成寺、そういうものに使うのです」 「姉さん、姉さん、この面は?」 「放....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
を代表するように、一遊星の軌道はまさしく天体引力の方則を代表するように、光源氏や葵の上の行動はまさしくその時代の男女の生活と心理の方則を代表するものとも考えられ....
南地心中」より 著者:泉鏡花
たのにさ。」 「まったくですよ。それがために、貴方ね、舞の師匠から、その道成寺、葵の上などという執着の深いものは、立方禁制と言渡されて、破門だけは免れたッて、奥....
女流俳句を味読す」より 著者:杉田久女
る若い風邪の妻は、ゴミゴミした世帯やつれの古妻の病気とは違い、清艶な感じがする。葵の上や、病める紫の女王が、美しく面やせて、長い黒髪をはらはらと机の上に匂わせつ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
参ります。小面や若女や増の面などはわけても大好きでございます。でも鉄輪の生成や、葵の上の泥眼や、黒塚に使う近江女などは、凄味がありまして恐ろしゅうござります」 ....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
人が傍にいて養育し、成長して後其御子と結婚した、宗教上の風習の名残である。だから葵の上も源氏より年上であり、其外、最初の恋人と思われる六条|御息所も又年上である....
作画について」より 著者:上村松園
の炎――一念がもえ上って炎のようにやけつく形相を描いたものであります。 謡曲「葵の上」には六条御息女の生き霊が出て来ますが、あれからヒントを得て描いたもので、....
簡潔の美」より 著者:上村松園
上にも、実に尊い美の姿ではなかろうかと思います。 泥眼 謡曲「葵の上」からヒントを得て、生霊のすがたを描いた「焔」を制作したときのことである。....
能面と松園さんの絵」より 著者:金剛巌
が窺える。その頃その作が評判でしたが、その次に他にもう一つ挙げると〈焔〉という「葵の上」あたりから取材した嫉妬の女の図でしたが、その顔の中で特に眼が普通の美人画....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
醍醐も側近三房の名も、また足利尊氏も楠木正成も、すべてその中の人間までが、源氏の葵の上や平家の清盛などよりも不鮮明で硬化していて、他人の感を否みなくされるばかり....