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「蒔く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蒔くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
霊訓」より 著者:浅野和三郎
れて居る。そんなのが、死後の世界から人間世界に働きかけて、いつまでも禍乱の種子を蒔く。 一体霊魂が、無理矢理にその肉体から引き離され、激情と憎念とに充ちたまま....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
、のこのこと万年床から這い出して、草蓬々の自分の畑をうなったそうである。 「何か蒔くつもりでしょうよ。籾俵を食いつくしてしまったんですね、きっと。子供らのように....
端午節」より 著者:井上紅梅
である。 しかし「大差無し」の事実はまたまた発生した。政府はまず人の頭痛の種を蒔く教員を放ったらかしたが、あとではあっても無くてもいいような役人どもを放ったら....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
、先日海岸で紹介されたT氏の弟が私の部屋へ遊びに来た。プロレタリア文学雑誌「種|蒔く人」の同人で二十五歳、病弱な為めW大学中途退学の青年だが病身で小柄でも声が妙....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
から、私は別段用事もない。それかといって余りあちこち見に歩くのも疑いを受ける種を蒔くようなものですから、殊更に司令長官に願いを出して 龍樹ヶ岳の禅定窟 こ....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
奉公するものも出て来る。品性の下劣なものはしばしば世間に向かって嫌悪さるるの種を蒔く。あたかも現代の我が国民が、海外に雄飛の地を尋ねて、或いは労働に生活の道を求....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
おしあって、恙虫を送るのだという。藁で大きな恙虫の形を作り、それを切り取って振り蒔く。それを血気の若者が争って取り合う。ある一定の地域より外へ持ち出せば、もはや....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
を意味深い色に染め出すのです。 誰が恋中の二人が歩む道のゆく手に 美しい春の花を蒔くのです。 誰が種々の功を立てた人のために 見栄のしない青葉を誉の輪飾に編むの....
雪の白峰」より 著者:小島烏水
るが、甲府方面からは、富士の「豆蒔小僧」というのが見える、八十八夜を過ぎて、豆を蒔く頃になると、あの辺の農夫は、額に小手を翳して、この小僧を仰ぐものだそうな、そ....
再度生老人」より 著者:佐左木俊郎
ものを眺めたり、まるで退屈で困る顔をしているので、或る女――寺に虞美人草の種子を蒔くと檀家に死人が絶えないという伝説を信じている女――などは、「あの焼和尚め、誰....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
のに。空飛ぶ鳥が、そのあわて急ぎの穀粒を遠方へ運んでゆくうちに、鳥が偶然に種子を蒔くことがあるように彼の上に一粒を落したのであろうか? それはいずれにしても、そ....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
月待ちは、鬼ひしぐ弁慶も稚児姿の若ければ恋におちて、上使の席に苦しい思いの種子を蒔く、若木の蕾は誘う風さえあれば何時でも綻びるものよ、須磨寺の夜は知らずもあれ、....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
の窓の一つに倚りながら、私は小使から六月の豆蒔の労苦を聞いた。地を鋤くもの、豆を蒔くもの、肥料を施すもの、土をかけるもの、こう四人でやるが、土は焼けて火のように....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
れから、これは私にはどうもよくわからないのですが、この有名な学者は、畑に籾がらを蒔くことゝ、羊に毛の生えない薬を塗ることを、目下しきりに研究しているのだそうです....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
肌をしたこの魔法使は、皆の見る前で砂を盛った植木鉢のなかに、一粒の向日葵の種子を蒔く。そして暫く呪文を唱えていると、その種子から小さな芽がむくむくと頭を持ち出し....