蒼惶[語句情報] »
蒼惶
「蒼惶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蒼惶の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
姫!」G氏は創造する金魚につけるはずのこの名を呼びながら、乞食のような服装をして
蒼惶として去った。半創成の畸形な金魚と逸話だけが飼育家仲間に遺った。 「Gさんと....
「故郷を想う」より 著者:金史良
っている。高校から大学へと続く学生生活の時分は、休暇の始まる最初の日の中に大抵|
蒼惶として帰って行った。われながらおかしいと思う程、試験を終えると飛んで宿に帰り....
「天馬」より 著者:金史良
臭がむんむんとむれ上り、激しい風に灰や埃が吹き飛んでいた。小路を抜けて遠くの方へ
蒼惶《そうこう》と逃げて行く女流詩人の姿がひらひらと靡《なび》いて見える。玄竜は....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
書いていないのであった。読者が怒らないうちに、すぐ後を続けなければならぬと思い、
蒼惶としてまたペンを取上げた。 税関吏ワイトマンが、本部からの通牒を短波受信機....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
推して知るべしで、例えば日蓮上人の御文章の或るものとか、其の他各種の記録がやおら
蒼惶と取締りを受けることになった。不穏不敬な文書出版物の責任が、悠久の過去に徐む....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
七世紀のはじめ。しかし彼は、この化物のように盛りあがった水の土堤に、舵をかえして
蒼惶と逃げ出した。そしてそこを、雲霧たちこめるおそろしい湿熱の様から、“|Los....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
又八坊」 「はい、はい」 そこらの軒並びを覗き歩いて、うろついていた又八坊は、
蒼惶として、油蝉のような顔した雲水さんの前へ来て、頭を下げた。 「分らないのかい....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
に取り入ろうと胸算をとったが、それもあまり支配者を出しぬく形になるので、とにかく
蒼惶として起き抜けに代官屋敷へやってきたわけ。 それは桐井角兵衛にも寝耳に水で....
「三国志」より 著者:吉川英治
袁術は気色を変えていた。 城内の武臣文官は、 「何事やらん?」と、ばかりに、
蒼惶として、閣に詰め合った。 袁術は、曹操からきた書面を、一名の近習に読み上げ....