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蒼生
「蒼生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蒼生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
中の山々の景色眺めて、おれは、なんにも要らない。 乃公《だいこう》いでずんば、
蒼生《そうせい》をいかんせむ、さ。三十八度の熱を、きみ、たのむ、あざむけ。プウシ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
》って一歳|何《なん》が月《げつ》で夭折《ようせつ》するような事があっては天下の
蒼生《そうせい》に対して申し訳がない。聞いて見るとこれも人間のひま潰《つぶ》しに....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
梅子は、 「人の着物借りてまでも行きたかない。わたい」 「そんなら着物を持ってる
蒼生子がひとり行くことにしておくか」 両親の胸を痛めたほど、子どもたちには不平....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
数の足音の中に聞きつけたのもその声だ。いや、これが決して私闘であってはならない、
蒼生万民のために戦うことであらねばならない。その考えから、彼はいろいろ気にかかる....
「緑衣人伝」より 著者:田中貢太郎
嚢陽累歳孤城に因る 湖山に豢養して出征せず 識らず咽喉形勢の地 公田|枉げて自ら
蒼生を害す 秋壑は怒って誹謗者を遠流に処した。 秋壑はまたある時、千人の僧に....
「弟子」より 著者:中島敦
思わず涙《なみだ》の溢《あふ》れて来るのを禁じ得なかった。孔子が嘆じたのは天下|
蒼生《そうせい》のためだったが、子路の泣いたのは天下のためではなく孔子一人のため....
「時事雑感」より 著者:寺田寅彦
れらの愛する日本の国はどうなるか。小春の日光はおそらくこれほどうららかには国土|
蒼生を照らさないであろう。軍縮国防で十に対する六か七かが大問題であったのに、地震....
「「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
政治の事は自分にはわからない。しかし歴史を読んでみると、為政者が君国のために、
蒼生のためにその国の行政機関を運転させるには、ただその為政者たるものが誠意誠心で....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
いものは国賊だと思うぞ、汝。俺なぞは、鉱蔵は、村はもとよりここに居るただこの人民
蒼生のためというにも、何時でも生命を棄てるぞ。 時に村人は敬礼し、村長は頤を撫で....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
が判った以上、之に登って下々の人民共の世界を観望すればよいわけで、そこに展開する
蒼生の風のまにまによろめく姿は、八大政綱を以て表現しようが、九大政綱を以て表現し....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
はく、愛は子に過ぎたるは無しと。至極の大聖すら尚ほ子を愛しむ心あり。況して世間の
蒼生、誰か子を愛しまざらめや」というものであり、長歌は、「瓜食めば子等思ほゆ、栗....
「魔王物語」より 著者:田中貢太郎
汝に災せんために来りしにあらず」と、云いかけて懐中から巻物を執りだして、「これは
蒼生心経術と称うる病者を救うの呪法である、これを汝に遣わすから、習い覚えて病人を....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
真実かの」
「はい」
「それもよい。だが、なるべくば、その情をもっと大きく、天下
蒼生のために、用いるよう心掛けてくれ。斉彬は、冷徹、信ずる理前の通りに行おうとし....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
方がいいのではないかとさえ思っている。たしかに太子が推古の御代を深くおもい給い、
蒼生の苦楽をあわれませられ、更には衆生の発菩提心に大悲願をかけさせられる生御魂が....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
造物主の創意になったものとすれば、今回のごとき、恐怖時代があろうはずはない、神は
蒼生を憫みこそすれ、これを滅亡して快とするような了見の狭い者では有るまい」 謹....