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「蓋う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蓋うの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:鷹野つぎ
にはおもいやりのある好意であった。 新らしく対った南の窓からは、武蔵野の一郭を蓋う空がゆるやかな弧を描いて、彼方の街路の端れに消えていた。まず視界の八分は空で....
草藪」より 著者:鷹野つぎ
って病室の前は広いテレスになって居り、藤の安臥椅子が、いくつとなく、棟のテレスを蓋うた深い廂の下の、はずれからはずれまでとびとびに置いてあった。 テレスに私は....
C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
私」やにはなやまされては居ません。けれども、天神の眼を透す、総ての現象は、天地を蓋う我から洩れる事はございません。地を這う蟻の喜悦から、星の壊《ついえ》る悲哀ま....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
ば、イタヤカエデは紅葉するカエデの中でその葉が大形なものであるから、それが天日を蓋うように繁れば降り来る雨もそれを通して漏り来ることはあるまい。それはちょうど屋....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
島田沼南は大政治家として葬られた。清廉潔白百年|稀に見る君子人として世を挙げて哀悼された。棺を蓋うて定まる批評は燦爛たる勲章よりもヨリ以上に沼南の一生の政治的功績を顕揚するに....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
ものであるとの理由となさんとする。しかしそれはその発見の古瓦が今の建築物の屋根を蓋うたものであったというだけの事で、最初の法隆寺の屋蓋に葺かれた物であったとの事....