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「蓮の葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蓮の葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
はその池のふちに御佇《おたたず》みになって、水の面《おもて》を蔽《おお》っている蓮の葉の間から、ふと下の容子《ようす》を御覧になりました。この極楽の蓮池の下は、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、盤台は美い。 いつもの向顱巻が、四五日陽気がほかほかするので、ひしゃげ帽子を蓮の葉かぶり、ちっとも涼しそうには見えぬ。例によって飲こしめした、朝から赤ら顔の....
星あかり」より 著者:泉鏡花
坪ばかり花壇にして、松葉牡丹、鬼百合、夏菊など雑植の繁った中に、向日葵の花は高く蓮の葉の如く押被さって、何時の間にか星は隠れた。鼠色の空はどんよりとして、流るる....
雪柳」より 著者:泉鏡花
心な挑合であったろう。……身に沁む、もののあわれさに、我ながら袖も墨染となって、蓮の葉に迎えようとしたと、後に話した、というのは当にならぬ。血気な男が、かかる折....
」より 著者:井上紅梅
た。 二人は一緒に竈の下へ行って何か相談したが、まもなく華大媽は外へ出て一枚の蓮の葉を持ってかえり卓の上に置いた。老栓は提灯の中から赤い饅頭を出して蓮の葉に包....
雛妓」より 著者:岡本かの子
醜い姿となり、なおも、女中の箱屋に背中をせつかれせつかれして行く姿がやがて丈高い蓮の葉の葉群れの蔭で見えなくなった。 その事が気になってわたくしは一週間ほど経....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
市商人は碌々に後片付けをして行かないとみえて、そこらにはしおれた鼠尾草や、破れた蓮の葉などが穢ならしく散っていた。唐もろこしの殻や西瓜の皮なども転がっていた。そ....
蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
べ等は唄い終りて、更にはじめの唄をくり返しつつあゆみ去る。水の音しずかにきこゆ。蓮の葉をかき分けて、小さき蛙は頭に大いなる蓮の葉をかぶりておどりいず。) 蛙 え....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
晩は星の多い夜であった。仲の町の両側に隙き間もなく積み重ねられた真菰《まこも》や蓮の葉には初秋の涼しい露が流れて、うるんだ鼠尾草《みそはぎ》のしょんぼりした花の....
死者の書」より 著者:折口信夫
工夫に、一心になって居た。横佩家の池の面を埋めるほど、珠を捲いたり、解けたりした蓮の葉は、まばらになって、水の反射が蔀を越して、女部屋まで来るばかりになった。茎....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
びしぐで(東北方面には濁音が多い)籠の鳥、コバエテ/\。 おばこ心持ちや池の端の蓮の葉の溜んまり水、コバエテ/\、少し触るでど(でどはというとの意)ころ/\転ん....
おせん」より 著者:邦枝完二
移した。 夜が明けて、まだ五つには間があるであろう。ひと抱えもあろうと想われる蓮の葉に、置かれた露の玉は、いずれも朝風に揺れて、その足もとに忍び寄るさざ波を、....
屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
の煤はらいの当日に一年に一度の風呂をたくにも、五月節句のチマキの皮やお盆に飾った蓮の葉なぞと他の使い道のないものを段々とためておいて、これで焚きます。 こうい....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、頭へ載せて来たさ。」 と半蔵は至極大まじめだ。さびしさに浮かれる風狂の士か。蓮の葉をかぶって吟じ歩いたという渡辺|方壺(木曾福島の故代官山村良由が師事した人....
怪しき旅僧」より 著者:田中貢太郎
上へ吐きだした。すると地炉は泥池になって水が溢れるようになるとともに、ふいふいと蓮の葉が浮きだして白と紅の蓮の花が一時にぱっと咲き、数多の蛙が集まって来て声をそ....