蓮華草[語句情報] » 蓮華草

「蓮華草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蓮華草の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
並べた水屋《みずや》と水棚があって、壁から出ている水道の口の下に菜種《なたね》と蓮華草《れんげそう》の束が白糸で結《ゆ》わえて置いてある。その右手は四尺の床の間....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
甚太郎は歩いて行った。 南向きの丘があった。 花|毛氈が敷き詰められていた。蓮華草と蒲公英との毛氈であった。 甚太郎はゴロリと寝た。 空は海のように拡が....
田舎教師」より 著者:田山花袋
び込んだ。森の中には荒れはてた社があったり、林の角からは富士がよく見えたり、田に蓮華草が敷いたようにみごとに咲いていたりした。それにこうして住んでみると、聞くと....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
請しようと云い、大金を出して其の翌年の二月藤屋の家へ入る。手に採るな矢張野に置け蓮華草、家へ入ると矢張並の内儀さんなれども、女郎に似合わぬ親切に七兵衞の用をする....
野道」より 著者:幸田露伴
から少し離れて馬頭観音が有り無しの陽炎の中に立っている、里の子のわざくれだろう、蓮華草の小束がそこに抛り出されている。いいという。なるはど悪くはない。今はじまっ....
初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
分大きな堤だ。堤の両側は平一面の草原で、その草の青々とした間からすみれ、蒲公英、蓮華草などの花が春風にほらほら首をふッていると、それを面白がッてだか、蝶が翩々と....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
小舎の豪華版から、墓原越しに見晴らす筑紫野は、これも晩春の豪華版であろう。菜種と蓮華草のモザイクに数限りない雲雀の声と蝶の羽根が浮き上っている。鼻の先の境内の青....
探巣遅日」より 著者:佐藤垢石
よそよと吹いて、おだやかな容の榛名山が、遠く大霞を着て北の空に聳えていた。私は、蓮華草が紅い毛氈のように咲いた田へ、長々と寝そべりながら、ひねもす雲雀の行方を眺....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
われつしている間こそ無責任で面白かろうが、しょせんは気紛れの浮気おんな、野に置け蓮華草のそしりはまぬかれない。 夫に仕えて貞節専一、しかも紅白粉の身だしなみよ....
着物雑考」より 著者:林芙美子
プロレタリアも祝っていいと思います。ただし、不思議に浴衣だけは、「やはり野におけ蓮華草《れんげそう》」で、昼間の外出着にならないのが残念です。浴衣に襦袢《じゅば....
菜の花物語」より 著者:児玉花外
られていたのであった。 円いなだらかな小山のような所を下ると、幾万とも数知れぬ蓮華草が紅う燃えて咲揃う、これにまた目覚めながら畷を拾うと、そこは稍広い街道に成....
歌集『涌井』を読む」より 著者:和辻哲郎
忘れ去っていたさまざまの情景を、先生の歌によって数限りなく思い出した。たとえば、蓮華草この辺にもとさがし来て犀川岸の下田に降りつ げんげん田もとめて行けば幾筋も....