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蔑ろ
「蔑ろ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蔑ろの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私は、過去と未来とに挾まれたこの私だ。現在のこの瞬間の私だ。私は私の過去や未来を
蔑ろにするものではない。縦令
蔑ろにしたところが、実際に於て過去は私の中に滲み透り....
「不周山」より 著者:井上紅梅
いるのが、竹片を指して、立板に水を流すごとくにいった。「裸※淫佚で、徳を失い礼を
蔑ろにし、度を敗るは、禽獣の行いである。国には常刑あり、ただこれを禁ずる」 女....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ますが、しかし眼前の幸福は衆人が望むことでありますから、仏、菩薩においてもこれを
蔑ろにしないで工夫に工夫を凝らされていることはもちろんのことであります。 しか....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ん。女王さまのお側にいると胸がむかむかするばかりです。なにしろ私の愛情がこんなに
蔑ろにされ、卑しいラレイがあんなに尊敬される世の中でございますからね」これには女....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
じゃ、島津の太守、大禄|喰みながらなかなか勘定高うてな、この十年来、兎角お墨付を
蔑ろに致し、ここを通行致す砌りも、身が他行致しておる隙を狙うとか、乃至は夜ふけに....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
何故飴屋の源兵衞を頼んだ」 大「はっ」 數「神原五郎治、四郎治と同意致して、殿を
蔑ろにする事を私が知らんと思うて居るか、白痴め、左様に人前を作り忠義立を申しても....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
と打ちに掛るをやっと押え留め、 三「まア/\それでは即ち人民たるものゝ権利を
蔑ろにすると云うものだから、先ず心を静め給え、一体当県は申すに及ばず全国一般の幸....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いてあったそうです。それを幕府のお役人が見て、何、天下が騒々しい、これは公方様を
蔑ろにしたものだ、公方様以外に明君が出てほしいと言うなら、いわゆる謀反人だという....
「四十八人目」より 著者:森田草平
えつけておいて、むざむざと屠られるのだ。それはあまりに怖ろしい、あまりに人間性を
蔑ろにしたものだ。そんな怖ろしい犠牲を主君は家来に向って要求することのできるもの....