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蔑視
「蔑視〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蔑視の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
種に絶無といえるでしょう。ですから、私は東洋思想に溶けこんでいるせいか、有色人|
蔑視《べっし》をやる白人種を憎みます。ナチスの浄血、アングロサクソンの威――かえ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私はそこに背水の陣を布いてしまったのだ。 といって、私は如何にして過去の凡てを
蔑視し、未来の凡てを無視することが出来よう。私の現在は私の魂にまつわりついた過去....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
これは自分の天性の劣弱なことにもよるが、もっと大きな原因は我々が古色蒼然たる言論
蔑視の倫理に締めつけられてきたことにある。いわく「ことあげせず」。いわく「不言実....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
でも、貴方がお考えになるような、詩的な告白なのでございましょうか」と熊城に冷たい
蔑視を送ってから、当時の記憶を引き出した。
「で多分、こういう現象の一部に当るの....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
それはヤンが患者を汚ながったり虐待するばかりか、座間やカークには、この混血児めと
蔑視的な態度を見せるからだった。 「なにか、ありましたんでしょう?」 今日も今....
「征服の事実」より 著者:大杉栄
することができない。いわばその社会は両極に分れるのである。征服者は常に被征服者を
蔑視する。あらゆる方法をもって奴隷化する。被征服者はまた、仕方なしに服従しながら....
「天馬」より 著者:金史良
とふれ廻ることにした。彼はそれで、朝鮮人であるがためにより余計に受けねばならない
蔑視や気拙いことをも多少は緩和させ、いくらか暮しの上でも融通をきかせようとする心....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
の当時演芸道の復活を見たことは、また忘れることの出来ない事実である。旧物に対する
蔑視と、新らしき物に対する憧憬とが、前述のように烈しかったその当時は、役者は勿論....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
くかの金で養われることになったのである。 彼女からは、絶えず鞭のように、憎悪と
蔑視とが飛んでくる。出島の一味からは、かつて鉄槌を下したその人の末路かと嘲られる....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
もし平民の子供にして華族の子供に対し怒りの余りに尊敬語を用いずして対等語あるいは
蔑視した言葉を用います時分には、その争った事柄の是非善悪いかんに拘わらず法律上必....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
取り巻く人々の、くゎっとなった頭は断定する――いっさいはエセックスに対する巧妙な
蔑視の現れで、とっくの昔から用意されていたことにちがいない。ホワアドはすでにキャ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
歌の中に恋の体験に関する歌の多いことが、一つの暗示を与える。彼に二十三歳で世俗を
蔑視する態度を取らせたのは、若い頃の恋愛であったろう。しかもそれは身分の懸隔など....
「貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
いうより他に、何ものかありません。『彼は、其の日暮らしに、追われている』と、いう
蔑視から、資本家や、編輯者等が、いまだ一介の無名の文筆家に対して、彼等の立場から....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
まり妾腹だな、そういう小姑が多数いる間に挟まって小さくなり、平民の娘、平民の娘と
蔑視まれつづけて、針の蓆にいるような辛い思いをしていたという。ああいう社会で氏の....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
ら坊にまで、好んで「坊」という語をつけるようになった。言うまでもなく、下級法師を
蔑視したことの名残である。或いは化物に高入道、大入道、三ツ目小僧などいい、盗賊に....