蔓延[語句情報] »
蔓延
「蔓延〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蔓延の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ラ》病が流行した。いわゆる午年《うまどし》の大コロリである。凄まじい勢いを以って
蔓延《まんえん》する伝染病に対して、防疫の術《すべ》を知らない其の時代の人々は、....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ように清砂通りに沿う一線と八幡通りに沿う一線に主力を集め、おのおの三方へ不規則に
蔓延している。近くの街の屋根瓦の重畳は、躍って押し寄せるように見えて、一々は動か....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
物証明によって見出すのであった。 北は東京近郊の板橋かけて、南は相模厚木辺まで
蔓延していて、その土地土地では旧家であり豪家である実家の親族の代表者は悉く集って....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
上は信玄から下は茶堂、身分の高下を取り去って、一堂に集めて諮ってみても、悪疫
蔓延を取り締まるべき、何んらの名案も浮かばないのであった。 で、寂然と声もなか....
「家」より 著者:島崎藤村
る。横にある高い石垣の側からは清水も落ちている。心臓形をした雪下の葉もその周囲に
蔓延っている。 この場所を択んで、お仙は盥を前に控えながら、何か濯ぎ物を始めて....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ロイックな精神に動かされたからである。あなたを中心として周囲に漂う気分が、校内に
蔓延することを、「真新なる生活」のために憂えたからである。私はいま少し生活に対す....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
雨が降り続けば沼になり、炎天が続くと、粘質壌土は荒壁のように亀裂が立った。雑草が
蔓延った。その根がまた固くて容易に抜けなかった。そのために稲はひどく威勢を殺がれ....
「都会地図の膨脹」より 著者:佐左木俊郎
直線で碁盤縞に膨れあがった。碁盤目の中には、十字に椹の籬が組まれた。雑草は雨毎に
蔓延って行った。荒地野菊が地肌を掩い、姫昔蓬が麻畠のように暗い林になって立った。....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
の真相全く不明” “ワシントン崩壊事件の原因は、不可視怪戦車か。――崩壊は引続き
蔓延中――軍需工場地帯を南進中” “被害|遂にニューヨーク市に波及。高層建築地帯....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
かし行く事は出来ますまい」 「何故行くことが出来ないな?」 「行く道々悪者どもが
蔓延っているそうでございます」 「とにかく私は行くことにしよう」 「これまで沢山....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
、楠氏の残党その者達である。で、そういう武士達は、時勢がだんだん逼塞し、生活苦が
蔓延するに従い、個人で単独に行動していたのでは、強請、押借というようなことが、思....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
しょう。あの意味はこうよ、こうなのよ――天のように偉かった支那の国に、古い大木が
蔓延って、支那の国を蔽うたので、日光を透すことが出来なかった。そのうちにその日が....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
に、これで私も安心して逝かれます、としてありました。 その秋地方に流行性感冒の
蔓延しました時、はつは年は取っても元気を出して、あちこちの看病に雇れていたのです....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
て、相、豆、駿、遠、尾、濃の間に流行し、昨年中は西は京阪より山陽、南海、西国まで
蔓延し、東は房、総、常、野、武、信の諸州にも伝播し、当年に至りては奥州に漸入する....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
費用、米貨千万ドル(わが千三百万円)なりという。 モルモン宗は米国中ユタ州内に
蔓延し、州の人口およそ二十万あり、そのうち十五万以上のモルモン信徒あり。その徒、....