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「蔵する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蔵するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
「諦め」は爛熟頽廃《らんじゅくたいはい》の生んだ気分であるかもしれない。またその蔵する体験と批判的知見とは、個人的に獲得したものであるよりは社会的に継承したもの....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
源たる心臓は太陽に相応し、脳は太陰に、肝臓は木星に、腎臓は金星に、また黒い胆汁を蔵する脾臓は憂鬱の支配たる土星に、胆嚢は火星に、肺臓は水星に相応している。』 ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
だ――とでも」と熊城は銷沈したように呟くのだった。「とにかく、後の仕事は、君が珍蔵する十六世紀前紀本でも漁ることだ。そして、僕等の墓碑文を作ることなんだよ」 「....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
があって、その上に四つの蜂の巣がある。その大きさは五|石を盛る瓶の如くで、これに蔵する蜂蜜はさぞやと察せられたが、何分にも嶮峻の所にあるので、往来の者はむなしく....
少年探偵長」より 著者:海野十三
………………………… たる……………………………… 二つ合……………………………蔵する宝………………………… の開き方を知…………………… り。オクタンとヘ……....
伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
燥した黄褐色の木の葉を盛り上げた深い森林――この際、彼には何か神秘的な特殊性を包蔵する境区として結局はこの境区の何処かに彼の一寸ものに触れれば吼え出し相な頭の熱....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
しを補って余りあるほど逞しく、筆勢もにわかに鋭い。 ――口に蜜ある者は腹に剣を蔵する。一人分八百円ずつ、取るものは取ったが、しかし、果して新聞の広告文通り約束....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ういう厳粛な敬虔な感動はただ芸術だけでは決して与えられるものでないから、作者の包蔵する信念が直ちに私の肺腑の琴線を衝いたのであると信じて作者の偉大なる力を深く感....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
どなれば、おのづから気随におひたてり。されど小児の時余の尤もおそれたるは父と家に蔵する鍾馗の画像なりしとぞ。 幼なかりしころより叨りに他人に親まず、いはゆる人....
火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
予め一大穴を鑿ち、火葬の後に其骨を墓に収めずして、之を粉砕し、親疎を択ばず皆此に蔵するを謂ふか」と解している。なるほど貞丈の説は妥当ではない。既に令の古記の註釈....
周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
歳より貸し渡さざるに至れり云々との伝説あり。 とある。かかる俗伝は斎瓮土器等を蔵する塚穴につきて往々存するもので、本誌にも掲載してある報告中に鳥取県にも同一の....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
清浄妙法を専修することが出来るだろうという、この願望が私のヒマラヤ山道を越えて入蔵する主なる原因でありました。 事の行きがかり理の当然……なさねばならぬはずの....
常に自然は語る」より 著者:小川未明
はかり知ることを許さないのが雲である。 神出鬼没の雲の動作程、美と不可知の力を蔵するものは他にあるまい。しかし、たゞ、それは、自然の意志の反映なのである。即ち....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
弥右衛門印 同 政五郎印 相良 三左衛門殿 右のT氏はこの種の文書を蔵すること、文化九年三月から明治四年四月までの分、通じて五十余通に及んでいる。か....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
っちでもないと思える。そして今日ではまだ/\趣味を愛する心の方が、より深きものを蔵する心であるといって強ち付会ではない様な気がする。 どう考えてみても、私は西....