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蔵書印
「蔵書印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蔵書印の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
もあれ、これを見給え。実は、先刻図書室で見たマクドウネルの梵英辞典に、見なれない
蔵書印が捺してあった。しかし、いま考えると、それがディグスビイの印らしいので、そ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
かった。成善が海保の塾に入った後には、海保|竹逕が数渋江氏に警告して、「大分|御
蔵書印のある本が市中に見えるようでございますから、御注意なさいまし」といった。 ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
宣教師などにお前がわかってたまるものかい。――だが、こんなことになったのも、俺が
蔵書印を持合さなかったからのことで。二度とまたこんな間違いの起らぬように、大急ぎ....
「聖家族」より 著者:堀辰雄
。彼女がふとそこにあったラファエロの画集を手にとって見ると、その扉には九鬼という
蔵書印がしてあった。そして彼女はそれを非常に欲しがっていた…… 突然、扁理が遮....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
形で。 私は今年の記念にそしてあなたが三十歳におなりになったお祝いに、私たちの
蔵書印をつくるつもりです。もう自分から本を売るようなことはしないから。お体をお大....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
あれは一生使えるように堅いツゲの木です。今年のお誕生日の記念に何をしましょうね、
蔵書印をこしらえようかしら。又あなたの字をつかって、並べて、ぐるりを工夫して。そ....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
だした。 「神尾の本は全部お売りになったのですか」 夫人は本を手にとって、扉の
蔵書印を眺めていた。 「神尾が出征のとき、売ってよい本、悪い本、指定して、でかけ....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
爾後は時々景気御報知|被下度候。近什少々御目にかけ候。御暇の節|御正願上候。小生
蔵書印を近刻いたし候。これまた御覧に入れ候。頓首。 十二月五日漱石 ....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
ら見慣れて居た二つの草双紙絵本がある。一は為永春水の『絵入教訓近道』で、一は式亭
蔵書印のある『赤本智恵鑒』である。何時何処で父が購求したのか、つい聞洩して仕舞っ....