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「蕁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蕁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
光と風と夢」より 著者:中島敦
しょう》をやってのける訳だ。夢の中でも、私は、強情な植物共の蔓《つる》を引張り、麻《いらくさ》の棘《とげ》に悩まされ、シトロンの針に突かれ、蜂には火の様に螫《....
十二支考」より 著者:南方熊楠
うに合う、それから海蜈蚣すなわちゴカイが人を咬《か》めば毒あるのみならず触れても麻《いらくさ》に触れたように痛むというた、十二年前東牟婁郡勝浦港に在った時、毎....
古き小画」より 著者:宮本百合子
ざす人に出会おうと、燃える力が、若いスーラーブの筋骨に、筋金入りの威力を与えた。麻《いらくさ》の生えた地面は、駈け寄り、引き分れる二頭の馬の蹄の下で、濛々と塵....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ンコツ》が高い角丸の、眼の大きくない顔で、よく往来を歩いていました。沙漠に生える草《いらくさ》のように背の低いがっちりさです、かたくて。 この頃わたしは屡※....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
いる、臭い細長い水たまりに掛け渡した板橋のほうへ抜けていた。さてこの一行が、籬の麻《いらくさ》や山牛蒡《やまごぼう》の中に眠っているリザヴェータの姿を見つけた....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
てそのにおいで野鼠の来るのを防がした。 ある日彼は、その地方の人々が一生懸命に麻《いらぐさ》を抜き取ってるのを見かけた。その草が抜き取られて、うずたかく積ま....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
に包囲されて上連に追いつめられたイギリス兵は、下連の階段を切り落としてしまった。麻《いらくさ》のうちに堆《うずたか》くなってる青い大きな板石がそのなごりである....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。近所の人々はその庭を荒らして、珍しい花を持って行った。その他の花卉《かき》は、麻《いらぐさ》や藪《やぶ》となり、あるいは枯れてしまった。 マリユスはヴェル....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
るものは至純なるもののみであり、心をささうるものは高きもの大なるもののみである。麻《いらくさ》が氷河の上に生じないごとく、卑しい考えは一つもそこに生ずることを....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。 彼は思い切って、入り乱れた藪《やぶ》の中につき進んだ。 柊《ひいらぎ》や麻《いらぐさ》や山査子《さんざし》や野薔薇《のばら》や薊《あざみ》や気短かな茨....
可愛い女」より 著者:神西清
オーレンカの家は煤ぼけて、屋根は錆び、納屋はかしぎ、庭には丈の高い雑草や刺のある麻がいっぱいにはびこってしまった。当のオーレンカも老け込んで器量が落ちた。夏に....
予言」より 著者:久生十蘭
いている。安部は礼をいってフェルナンデスにひきとってもらったが、いくら安部でも、麻疹だろうか、蚤の痕だろうかなどと、見当ちがいするほど単純でもない。蚤は蚤でも....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
町立病院の庭の内、牛蒡、草、野麻などの簇り茂ってる辺に、小やかなる別室の一|棟がある。屋根のブリキ板は....
うどんのお化け」より 著者:古川緑波
い。何しろ、まぐろが食えないんだから、トロもヅケもない。まぐろを食えば、たちまち麻疹《ジンマシン》。赤身の魚は一切駄目。すし屋へ行ったって、食えるものと言った....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
とが、文化年間に出た『信濃奇勝録』には述べられている。イラは「いぬからむし」、「麻」とも書いて、山野に野生する植物であった。この頃人のよく言うラミーとは同属で....