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蕁麻
「蕁麻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蕁麻の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「光と風と夢」より 著者:中島敦
しょう》をやってのける訳だ。夢の中でも、私は、強情な植物共の蔓《つる》を引張り、
蕁麻《いらくさ》の棘《とげ》に悩まされ、シトロンの針に突かれ、蜂には火の様に螫《....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
うに合う、それから海蜈蚣すなわちゴカイが人を咬《か》めば毒あるのみならず触れても
蕁麻《いらくさ》に触れたように痛むというた、十二年前東牟婁郡勝浦港に在った時、毎....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
ざす人に出会おうと、燃える力が、若いスーラーブの筋骨に、筋金入りの威力を与えた。
蕁麻《いらくさ》の生えた地面は、駈け寄り、引き分れる二頭の馬の蹄の下で、濛々と塵....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
いる、臭い細長い水たまりに掛け渡した板橋のほうへ抜けていた。さてこの一行が、籬の
蕁麻《いらくさ》や山牛蒡《やまごぼう》の中に眠っているリザヴェータの姿を見つけた....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
てそのにおいで野鼠の来るのを防がした。
ある日彼は、その地方の人々が一生懸命に
蕁麻《いらぐさ》を抜き取ってるのを見かけた。その草が抜き取られて、うずたかく積ま....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
に包囲されて上連に追いつめられたイギリス兵は、下連の階段を切り落としてしまった。
蕁麻《いらくさ》のうちに堆《うずたか》くなってる青い大きな板石がそのなごりである....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。近所の人々はその庭を荒らして、珍しい花を持って行った。その他の花卉《かき》は、
蕁麻《いらぐさ》や藪《やぶ》となり、あるいは枯れてしまった。
マリユスはヴェル....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
るものは至純なるもののみであり、心をささうるものは高きもの大なるもののみである。
蕁麻《いらくさ》が氷河の上に生じないごとく、卑しい考えは一つもそこに生ずることを....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。
彼は思い切って、入り乱れた藪《やぶ》の中につき進んだ。
柊《ひいらぎ》や
蕁麻《いらぐさ》や山査子《さんざし》や野薔薇《のばら》や薊《あざみ》や気短かな茨....
「可愛い女」より 著者:神西清
オーレンカの家は煤ぼけて、屋根は錆び、納屋はかしぎ、庭には丈の高い雑草や刺のある
蕁麻がいっぱいにはびこってしまった。当のオーレンカも老け込んで器量が落ちた。夏に....
「予言」より 著者:久生十蘭
いている。安部は礼をいってフェルナンデスにひきとってもらったが、いくら安部でも、
蕁麻疹だろうか、蚤の痕だろうかなどと、見当ちがいするほど単純でもない。蚤は蚤でも....
「うどんのお化け」より 著者:古川緑波
い。何しろ、まぐろが食えないんだから、トロもヅケもない。まぐろを食えば、たちまち
蕁麻疹《ジンマシン》。赤身の魚は一切駄目。すし屋へ行ったって、食えるものと言った....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
とが、文化年間に出た『信濃奇勝録』には述べられている。イラは「いぬからむし」、「
蕁麻」とも書いて、山野に野生する植物であった。この頃人のよく言うラミーとは同属で....