蕃殖[語句情報] »
蕃殖
「蕃殖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蕃殖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
犬をもらって来てくれた。ピンと名をつけて、五年来飼うて居る。其子孫も大分|界隈に
蕃殖した。一昨年から押入婿のデカと云う大きなポインタァ種の犬も居る。昨秋からは追....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
かに用意して来た。お沙汰書《さたしょ》に――向後、土地|墾闢《こんぺき》、人民|
蕃殖《はんしょく》、北門ノ鎖鑰《さやく》厳ニ樹立シ 皇威御更張ノ基ト可相成《あい....
「球根」より 著者:寺田寅彦
を残して行っただろうという事は、きわめてありそうな事である。それがことしたくさん
蕃殖したのでこちらへも分けてよこしたものだろう。 そう考えると堅吉の頭の中が急....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
れはごたいそうな虫の巣を拵えこんで、無慈悲の冬を囲いもしてやれば、かれらの子孫の
蕃殖をもお手伝いする。虫どもに言わしたら、これが吾々の造物主とあがめ奉るかも知れ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
奴だ。何故にこいつが怖ろしいかといえば、第一、こいつは、他の良魚よりはすばらしい
蕃殖力を持っていることだ。
蕃殖力というのは、卵を産んで、その仲間を殖やす力だ。こ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りやはりまして」 「そうですか、どうも有難う、お手数をかけました。犬の子が盛んに
蕃殖をいたしつつありますな」 「はい」 「いったい、今はどなたの御所有に帰してい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の地球――この地上が、地上として今日のように固まるまでには、幾多の生物が現われて
蕃殖《はんしょく》したかと思うと、それが全く種切れになって、次の時代に移り……」....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
れるであろう1)。 1) サア・ジェイムズ・スチュワアトは、極めて適切にも、
蕃殖力を、可変的な重りを載せられた発条に喩えているが(Polit. Econ. ....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
群島、露領コマンドルスキー群島とともに、世界に三つしかない膃肭獣《おっとせい》の
蕃殖場で、この無人の砂浜は、毎年、五月の中旬から九月の末ごろまで、膃肭獣どもの産....
「みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
ミリあるというのに、ゆりかもめは二百八十三ミリから三百二十五ミリくらいしかない。
蕃殖の地は西伯利亜北部の寒いところで、冬になると樺太、千島、北海道、本州、九州、....
「尾瀬沼の四季」より 著者:平野長蔵
からずである。山より掘取った植物が温度の違う地に移植出来得べき者にあらず。移植と
蕃殖の可能の種類は、苗圃を作り愛好者に分譲する考えである。自然は我らに無償にて百....
「奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
その語の保存せられる事が少なかったが、それと反対に、奥羽地方においては、古来鹿の
蕃殖がことに多かったとみえて、為に今に鹿を呼ぶにカノシシの称が保存せられ、古くは....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
が描き出しうるだろう。鉄の神経である、たぶん。しかも、ズボンの縫付袋ですばらしい
蕃殖力を示す当時の洒落物は、同時に波打つ髪に耳飾りの宝石を飾った柔弱人士ではなか....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
てこの日本領の海豹島(露名、チュレニ島、ロッペン島)。世界に三つしかない膃肭獣の
蕃殖場だ。絶海の孤島であるこの海豹島には人間のための伝馬などは二隻と用意されてあ....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
しながら、ともかくも彼らはかく広く行き渡っているのであるから、それが同一根源から
蕃殖移住したものだとのみは考えにくい。各地に於いてもと起原を異にしたもので、同一....