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蕭条
「蕭条〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蕭条の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
がい》を、門の外へ運び出した。外も、まだ暗い。有明《ありあけ》の月のうすい光に、
蕭条《しょうじょう》とした藪《やぶ》が、かすかにこずえをそよめかせて、凌霄花《の....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
泣いたので、人々も同じ涙にくれ、爾来ここを呼んで指月ヶ岡と云うことになったとか。
蕭条たる寒村の秋のゆうべ、不幸なる我が子の墓前に立って、一代の女将軍が月下に泣い....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
た身体から、総ての気力を奪い去って居る。 飯盛|颪に吹き流される雲が、枯草が、
蕭条として彼等の網膜に写し出され、捉える事の出来ない絶望感が全身的に灼きついて来....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
死んだ。 餅を買う女 宣城は兵乱の後、人民は四方へ離散して、郊外の所々に
蕭条たる草原が多かった。 その当時のことである。民家の妻が妊娠中に死亡したので....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
いた。 人は落ち目になると僻み根性を起し易い。ところで私自身は、他人から見たら
蕭条たる落魄の一老爺、気の毒にも憐むべき失意不遇の逆境人と映じているだろうが、自....
「鹿狩り」より 著者:国木田独歩
今井の叔父さんは前後不覚の体である。 僕は戸外へ飛びだした。夜見たよりも一段、
蕭条たる海|辺であった。家の周囲は鰯が軒の高さほどにつるして一面に乾してある。山....
「巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
ルの上へ、まだ活字が揮発油で濡れているパリ・ミデイの一版を抛り出して、キャフェの
蕭条をまづ第一に味わいに来たのは Boulevardier(界隈の人、或は大通漫....
「光は影を」より 著者:岸田国士
く生きた月日でございました。来る春も来る春も、花の色は打ち沈んで見えました。満目
蕭条の冬の野山こそ、わたくしの行く手にふさわしい眺めでございました。しかし、また....
「荘子」より 著者:岡本かの子
ていて庭を通して互いの部屋は見透さぬようになっていた。窓々には灯がともり柳の糸が
蕭条と冷雨のように垂れ注いでいた。 二人が侍女を対手に酒を呑み出して居るところ....
「源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
諸名優を相手にして、「弁天おてる」や三千歳を演じていた青年美貌の俳優が、こうした
蕭条の終りを取ろうとは――。私も自分の影をかえりみて、暗い心持にならざるを得ない。....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
泣いたので、人々も同じ涙にくれ、爾来ここを呼んで指月ヶ岡ということになったとか。
蕭条たる寒村の秋のゆうべ、不幸なる我子の墓前に立って、一代の女将軍が月下に泣いた....
「雨の宿」より 著者:岩本素白
京都の駅に着いた時、もう降り始めていた小雨が、暗くなると本降りになって夜を通して
蕭条と降り注ぐ。今まで此の土地へ来るたび、いつも天気でついぞ雨らしい雨に会ったこ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
極は例の弾機仕掛けに弾ね上げられ、人生を見直し出した従容たる態度の歌であります。
蕭条たる秋風に鎗を立てて微笑む鹿之助の顔が眼に泛ぶのであります。 「男が話が判っ....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
えている。行き逢う駄馬が鬣を振わして雨の滴を顔のあたりへ飛ばせて来ることもある。
蕭条たる気が犇々と身に応えてくる。不図行手を眺めると、傍らの林間に白々と濃い煙が....
「餅を買う女」より 著者:岡本綺堂
」のうちに同様の話がある。 宣城は兵乱の後、人民は四方に離散して、郊外の所々に
蕭条たる草原が多かった。 その当時のことである。民家の妻が妊娠中に死亡したので....