薄べったい[語句情報] » 薄べったい

「薄べったい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薄べったいの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
に抱えていない、ブラリと提げているので、半分以上二重廻しの下からはみ出していた。薄べったい角張ったものらしい。 彼が門外へ踏み出して三、四間歩くと、待構えた石....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
いって、真黒い下足の木札を握る。籐畳《とうだたみ》に並んだ長いちゃぶ台と、木綿の薄べったい座蒲団。やながわに酒を一本つけて貰う。隣りの鳥打帽子の番頭風な男がびっ....
道標」より 著者:宮本百合子
いものだと思う」 「――わからない」 蜂谷は、太い指さきで、小さくて白くて全く薄べったい長方形のつつみを大事にひろげて行った。 「ホウ!」 「きれいでしょう?....
風知草」より 著者:宮本百合子
れんじ窓よりにこの寝台が置かれて、上に水色格子のタオルのかけものがひろげてあり、薄べったい枕がのせられてある。入ったばかりの右側は大きい書物机で、その机と寝台と....
阿亀」より 著者:豊島与志雄
子とで、セルの着物を一枚無造作にひっかけた恰好が、肩の骨立った張り工合から、腰の薄べったい痩せ工合など、呼吸器でも悪そうな風の男で、細面の顔が蒼白かった。始終知....
私本太平記」より 著者:吉川英治
うなものが籠っていた。小さい灯皿が横木に架かっている。むしろの上に、雑巾のような薄べったい夜具が敷いてあった。……菊王の重みで、少し傾いた舟の揺れを、病人はすぐ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
出来ない。それが尊氏の宿業なのだ。「……かんべんしてくれ」と、彼は初めて、直義の薄べったい体を、白いふとんの上から抱きしめた。若き日、口喧嘩のあげく、大蔵山の崖....