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薄らと
「薄らと〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薄らとの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
裸体だよ。」 「む、茸はな。」 「起きとっても裸体だにのう。―― 粧飾す時に、
薄らと裸体に巻く宝ものの美い衣服だよ。これは……」 「うむ、天の恵は洪大じゃ。茸....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
と肉が萎む、と手と足に蒼味が注して、腰、肩、胸の隅々に、まだその白い膚が消々に、
薄らと雪を被いで残りながら、細々と枝を組んで、肋骨が透いて見えた。 「ああ、これ....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
びほうけて、野原へ走り出て、池の端の大木のうつろなぞに隠れているうちに、水の面に
薄らと夕靄が漂って、ゴウンゴウンと遠くから鐘の音なぞが聞こえてきます。途端にこの....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
、帰るところは……どこにも……ありませんわ……」 陽が雲に遮られて、湖水の上が
薄らと、翳ろってきました。が、その瞬間に、私には今日まで二日間の疑問が、淡雪のよ....
「牡蠣船」より 著者:田中貢太郎
きが見えているのみで姿は見えなかった。牡蠣船の前にはまた小さな使者屋橋と云う橋が
薄らと見えていた。 岸の柳がビロードのような嫩葉を吐いたばかりの枝を一つ牡蠣船....