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薄切
「薄切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薄切の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
をあけてはいられません。どうかして途絶えた時には継ぎものです。古い絹の裏地など、
薄切れのしたのに継を当てて細かに刺すのです。年寄には軽くてよい、新しい金巾などは....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
風呂へ入るとき化粧室で脱ぎすてるシミイズの汚れも目に立ったが、ストッキングの踵も
薄切れていた。相変らず賤しい愚痴も出て、たまに買って来る好きなオレンジも、めった....
「魔都」より 著者:久生十蘭
「はいはい、すっかりお出ししてあります。|鵞鳥の肝《フォア・グラ》たらいうものは
薄切りにして氷で冷やし、シャンペン酒ももう氷槽に漬けてございます」
美人は恥か....
「一太と母」より 著者:宮本百合子
でのつなぎに一つ珍らしいもんがあるよ」 その人は、焜炉の網に白い平べったい餅の
薄切れのようなものをのせ、箸で返しながら焙《あぶ》った。手許を熱心に眺め、口の中....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ておいて鉄網《かなあみ》の上で上等のバターを塗りながらジリジリ焼いたのです。別に
薄切のパンをバターでいためてその上へ焼いたシブレを載せてフレッシバターを鍋で焦《....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
○屠蘇を紅き布に包むは害あり。白布かガーゼにすべし。 ○雑煮を作る時は汁の中へ
薄切の大根を加うべし。大根は化学作用にて餅を消化せしむ。 ○何時にても餅を食した....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
く切ります。それから大きな褌盥に極上井戸水を一パイ張りまして、その中でその赤肝の
薄切りを両手で丸めて揉みますと、盥一面に山のごと泡が浮きます。まるで洗濯石鹸を揉....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
鮮無類の「北枕」……一名ナメラという一番スゴイ鰒の赤肝だ。御覧の通り雁皮みたいに
薄切りした奴を、二時間以上も谷川の水でサラシた斯界極上の珍味なんだ。コイツを味わ....
「旅愁」より 著者:横光利一
みち子のもつれかかった気持ちを享けて、暫くは両方に別れたままだった。そこへ女中が
薄切りのスモーキングの鮭を持って顕れ、空いた皿と取り替えた。光沢のある越州の壺に....