薄紗[語句情報] » 薄紗

「薄紗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薄紗の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
死んでいても――いや! 墓のなかにあってさえも、すべてが失われるものではないのだ薄紗のような夢を破るものである。しかし一秒もたつと(その薄いものはそれほど脆いも....
怪異に嫌わる」より 著者:豊島与志雄
、真夜中、丑三つの頃というのであろうか、顔色を変え息をつめて、がばとはね起きた。薄紗をかぶせた電灯の朧ろな明るみのなかで、茫然と見開いた眼には、明瞭な幻がまだ映....
だいこん」より 著者:久生十蘭
から落っこちるところだった。 あたしがしょげているので気の毒になったのか、 「薄紗《ダンテール》の朱鷺《とき》色の下着が、花弁のように四方へ垂れさがった中心か....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
恋のみち 静かに幕があがる―― 竹模様に縁取られた額縁舞台。 額縁舞台には緑色の薄紗が幾重にも垂れ下っている。 その奥の方から、竹を伐る斧の音が忘我の時を刻むご....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ャラコさんは、枕の上で顔をまわしながら、ぜいたくな寝室の風景をゆっくりと楽しむ。薄紗《ダンテエル》の窓掛けの模様に見とれたり、熱心に小箪笥《コンモード》の彫刻を....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
、一見、平凡な絵だった。 うす暗い部屋の隅の、朽葉《くちは》色の長椅子に、白い薄紗《ダンテール》の服に朱鷺《とき》色のリボンの帯をしめた十七、八の少女が、靴の....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
には、白色のフランス大薔薇と珍種の蘭をもって作りたる巨象をすえ付け、その背には、薄紗《うすしゃ》の面怕《ヤシマック》をつけたアフガニスタンのバレエム王女が乗って....