薩摩芋[語句情報] » 薩摩芋

「薩摩芋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薩摩芋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
芽生」より 著者:島崎藤村
え》んだ。母は乳呑児を負《おぶ》ったまま佇立《たたず》んでいた。お菊は復た麦だの薩摩芋《さつまいも》だのの作ってある平坦《たいら》な耕地の間を帰ったが、二度も三....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。おなじ武州の内でも江戸からは相当に離れていて、たしか十三里と覚えていますが、薩摩芋でお馴染があるばかりでなく、江戸との交通は頗る頻繁の土地で、武州川越といえ....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
縁へ先ず伏せた。――ところで、生捉って籠に入れると、一時と経たないうちに、すぐに薩摩芋を突ついたり、柿を吸ったりする、目白鳥のように早く人馴れをするのではない。....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
な日にゃ骨休めだ。これがえいのだ。なまけて遊んだっておもしれいもんでねい。はまア薩摩芋でも煮ろい」 おはまは竈屋へゆく。省作は考えた。兄は一に身上二に丹精で小....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
名士、学者、甘藷商らによって建立されたものである。 こういうわけで、甘藷先生が薩摩芋移植の功労者であることは、学者や一部の人々のあいだには長く記憶されているが....
震災日記より」より 著者:寺田寅彦
ているのだからやむを得ないと思った。午後四時にはもう三代吉の父親の辰五郎が白米、薩摩芋、大根、茄子、醤油、砂糖など車に積んで持って来たので少し安心する事が出来た....
少年の死」より 著者:豊島与志雄
や、何かにつけがみがみ叱りつける彦さんが居ない時など、彼は小僧達と一緒にこっそり薩摩芋を買って食べたりした。お小遣銭《こづかい》を持たない庄吉がいつも買いに走ら....
月明」より 著者:豊島与志雄
だからという伯母と女中とを残して、若い者だけで散歩に出た。 松林の裾を廻って、薩摩芋の畑の間を少し辿ると、川の岸に出る。橋を渡った向うが低い堤防をなしていて、....
秋の幻」より 著者:豊島与志雄
が、それでも広い屋敷の裏の方に、彼等は野菜畑を持っていた。種々な野菜の他に里芋や薩摩芋まで作っていた。それは母と彼とのいい運動だった。朝露の乾く頃、彼等はよく鍬....
次郎物語」より 著者:下村湖人
以外には定まった休憩の時間はないが、一鉢あげるごとに、随意に渋茶も飲めるし、また薩摩芋や時には牡丹餅などの御馳走も、勝手にいただけるのである。 次郎もそうした....
塩花」より 著者:豊島与志雄
てみたいからと媚びて、実地見学を申し出た。 干し場は二階のバルコニーにあった。薩摩芋をごく柔くふかし、皮をむき、半センチぐらいの厚さに切り、簾の上に並べて、太....
波多野邸」より 著者:豊島与志雄
で日光に輝いていた。種類が多いだけに一層豊かに思われた。空いてる地面には、やがて薩摩芋が植えられることになっていた。いくら多く作っても、知人たちに分配するにはま....
土地に還る」より 著者:豊島与志雄
にも、茄子の葉が光り、トマトの実が色づき、胡瓜の蔓が絡みあい、菜っ葉が盛り上り、薩摩芋の根本の土がひびわれていました。 彼は頭を振って雑念を払い落そうとしまし....
次郎物語」より 著者:下村湖人
うずたかくなっている蝋灰をかきおこしはじめた。蝋灰のなかからは、まるごとに焼けた薩摩芋がいくつもいくつもころがり出た。 次郎は、もうすっかり腹が減っていたので....
目黒の寺」より 著者:岡本綺堂
名士、学者、甘藷商らによって建立されたものである。 こういうわけで、甘藷先生が薩摩芋移植の功労者であることは、学者や一部の人々のあいだには長く記憶されているが....