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薬にしたくもない
「薬にしたくもない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薬にしたくもないの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
っちへよろよろこっちへよろよろ歩いて行くくらいのもので、艶かしい花柳|情緒などは
薬にしたくもない。 広い道路の前は、二千坪ばかりの空地で、見番がそれを買い取る....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ールだよ、いい面の皮さ……馬鹿馬鹿しい浮世じゃないの? 今の世は真心なんてものは
薬にしたくもないのよ。私がこうして三年もこんな仕事をしてるのは、私の子供が可愛い....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
、葦屋、志賀島、残島、玄海島、日本海海戦の沖の島なんて見ろ、屈辱外交の旧跡なんて
薬にしたくもないから豪気だろう。伊豆の下田の黒船以来、横浜、浦賀、霞が関なんて毛....
「十月革命と婦人の解放」より 著者:野呂栄太郎
例外なくすべての資本主義国を強襲している秋《とき》、ソビエト同盟にだけは恐慌など
薬にしたくもないばかりでなく、かえって社会主義経済が巨人の歩調で発展している。資....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「全くその通りよ、お金持のところには唸《うな》るほどあっても、貧乏人のところには
薬にしたくもないのですから」 「有るところには有り過ぎるほどあって、ねえところに....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ことで、命があぶない(王政復古)というめまぐるしさの間で、)全く冷静な、純情など
薬にしたくもない政治家のフーシェ、タレイランなどが、今日の人々の日常では想像の出....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
ところである。あるいは却って古代の宗教画などに見られて近代のアカデミー風の画には
薬にしたくもないところである。ルーベンスやゲーンスボローやないしはアルマタデマに....
「雪の宿り」より 著者:神西清
。それを粉飾せんが為の高踏廻避と、それを糊塗せんが為の詩禅一致だ。済世の気魄など
薬にしたくもない。俺は夢厳和尚の痛罵を思いだす。『五山ノ称ハ古ニ無クシテ今ニアリ....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
モダンガールさ、いゝ面の皮さ……馬鹿馬鹿しいね浮世は、今の世は真心なんてものは、
薬にしたくもないよ。私がこうして三年もこんな仕事をしてるのは、私の子供が可愛いか....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
一種の言ふに言へぬ甘い情調がかくされて居るけれど、中村遊郭には、そんな気分など、
薬にしたくもないのである。 不景気の影響を受けてか、昨今のさびれ方は甚だしいも....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
には、人間と人間とが互に抱き合うような情味や、人間としての生の享楽などと云う事は
薬にしたくもない」とも云っているようだ。それ程醜い「蛮人」に、どうして、「人類全....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
に眼を通すでもなければ、ラジオや映画があるでもなく、近代感覚なぞというものは凡そ
薬にしたくもない、こんな無刺戟な単調な山の中で、何が面白くてそう長く遊んでいられ....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
志も知るる道理、妾もどのように嬉しかろか喜ばしかろか、もしそうなれば不足というは
薬にしたくもないはずなるに、汝は天魔に魅られてそれをまだまだ不足じゃとおもわるる....