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薬局
「薬局〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薬局の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
佇立《ちょりつ》しているのである……
あとで、それとなく聞くと、その頃大学の
薬局に通っていた能勢の父親は、能勢が自分たちと一しょに修学旅行に行く所を、出勤の....
「或る女」より 著者:有島武郎
》つ事のできるような物さえ目に触れれば、葉子の心はおびえながらもはっと高鳴った。
薬局の前を通るとずらっとならんだ薬びんが誘惑のように目を射た。看護婦が帽子を髪に....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ち》が来て恐《おそろ》しい大きな巣をかけた。
すると医者の内弟子《うちでし》で
薬局、拭掃除《ふきそうじ》もすれば総菜畠《そうざいばたけ》の芋《いも》も掘《ほ》....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
及びもつかない。いいかげんな芸術家というものになって納まっているより、この薄暗い
薬局で、黙りこくって一生を送るほうがやはり僕には似合わしいようだ」 そう言って....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
を出掛けたのだった。 「最初はここだよ」 と彼は云って、バットの近所にある野間
薬局の店先にずかずか入っていった。 「ちょっと劇薬売買簿を見せて貰いたいのですが....
「蠅男」より 著者:海野十三
って出ていったそうだが、それがなかなか帰って来なかった。そこで警官の一人を、その
薬局へ派遣して調べさせることにした。 間もなくその警官が帰ってきて、 「近所の....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
好かない奴。 私がちょこちょこ近処だから駈出しては、薬取に行くのでしたが、また
薬局というのが、その先生の甥とかいう、ぺろりと長い顔の、額から紅が流れたかと思う....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
、何か物がぬすまれ、そしてあつまってきた弥次馬がけがをするのであった。 銀座の
薬局がおそわれたことがあった。それは白昼のことであった。 女幽霊は、きわめてぼ....
「雷」より 著者:海野十三
、境町の新築の二階家へ引越していった。そこで新しい木の看板を懸け、階下を診察室と
薬局と、それから待合室とに当て、二階を夫妻の住居に選んだのだった。それは全く、何....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
取立ててあったのが、成上りのその肥満女と、家蔵を売って行方知れず、……下男下女、
薬局の輩まで。勝手に掴み取りの、梟に枯葉で散り散りばらばら。……薬臭い寂しい邸は....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
「こういう時は、医師の友達は頼母しかろう。ちと処方外の療治だがね、同じ葡萄酒でも
薬局で喇叭を極めると、何となく難有味が違って、自ら精神が爽快になります。しかし怯....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
のを私立で当時建築中、ここで山の手の病家を喰留めようという勢。 山の井の家には
薬局、受附など真白な筒袖の上衣を絡って、粛々と神の使であるがごとく立働くのが七人....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
うな原因は何一つありません。しかし近頃少し健康を害したと云って、よく宅へ来ると、
薬局から睡眠剤をつくらせて帰りました。医者の娘ですし、薬の事など相当に心得てはい....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
「小夜子さん、私、直ぐ帰って来ますから――」 と起ち上り、 「待っている間に
薬局で催眠剤でもつくらせて、少しお飲みなさいよ、大分、神経が疲れているようだから....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
えた。 「そう。疎開先から戻って来たけれど行くところがないんですって、それで当分
薬局を手伝って頂く事にしたの、でもねえ、開業医だって、この頃、とても楽じゃないわ....