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薬屋
「薬屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薬屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
った。
店の電話に向って見ると、さきは一しょに中学を出た、田村《たむら》と云う
薬屋の息子だった。
「今日ね。一しょに明治座《めいじざ》を覗かないか? 井上だよ....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
さんや野上《のがみ》さんの顔が見える。中幅《ちゅうはば》の白木綿《しろもめん》を
薬屋のように、フロックの上からかけた人がいると思ったら、それは宮崎虎之助《みやざ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
家と称うる奴が、吾々を捕えて、罪の児だの、救ってやるのと、商売柄|好な事を云う。
薬屋の広告は構わんが、しらきちょうめんな人間に向って罪の子とは何んだい。本人はと....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の中にも伝わり今日まで保存されてきたのである。彼らの用いた薬剤は、現今でも支那の
薬屋で売っているような無気味な調剤とかなりよく似た品物であったらしい。 しかし....
「地獄街道」より 著者:海野十三
留品も出て来た」 「ほほう」 「ところがその青年たちは、申し合わせたように近所の
薬屋で、かゆみ止めの薬を買って身体に塗ったそうだ」 「三人が三人ともかい」 「そ....
「蠅男」より 著者:海野十三
田鶴子――というんだネ」 この田鶴子なる派出婦は、一行が到着する直前、ちょっと
薬屋に買物にゆくといって出ていったそうだが、それがなかなか帰って来なかった。そこ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
は、例の黒ずくめの服装をした丸木が、眼鏡をきらきらさせて、立っていた。
「さあ、
薬屋へいくんだ。いいかね。逃げると承知しないぞ」
そう言って丸木は、千二の手を....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
迷わされて、疾く身を立てよう、行末を考えようと思いながら、右を見ても左を見ても、
薬屋の金持か、せいぜいが知事か書記官の居る所で、しかも荒物屋の婆さんや近所の日傭....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
の絵の赤い色は皆な蘇枋というもので描いたので、これはやはり日本橋の伊勢佐という生
薬屋で専売していたのだが、これを火で温めながら、凧へ塗ったものである。その秩父屋....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
おけないので三所も四所も出て長持のはげたのを昔の新らしい時のようにぬりなおして木
薬屋にやると男にこれと云うきずもなく身上も云い分がないんでやたらに出る事も出来な....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
るいていきました。これはまさしく、このこうやくのききめでした。でも、それだけに、
薬屋などでめったに手にはいるものではありません。 「そんなむちみたいなもの、なん....
「「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
われた来由である。 わたしは、四年あまり、いつもいつも――ほとんど毎日、質屋と
薬屋の間を往復した。年齢は忘れたが、つまり
薬屋の櫃台がわたしの脊長けと同じ高さで....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
と見る 「ガッチャキの薬如何」と人の居ない 峠で大きな声出して見る ガッチャキの
薬屋さんのホヤホヤだ 吠えて呉れるな黒はよい犬 「ガッチャキの薬如何」と門に立て....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
るばかり、涼しさは涼し、風はあり、月夜なり。 氷屋の並びに表通から裏へ突抜けた
薬屋の蔵の背があって、壁を塗かえるので足代が組んである、この前に五六人、女まじり....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
て之を観れば」何ごとも変らないのに違いない。僕もまた僕の小学時代には鉄面皮にも生
薬屋へ行って「半紙を下さい」などといったものだった。 僕等は門並みの待合の間を....