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「薬師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薬師の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
にしたんだそうだ。 「ところが外へ出て見ると、その晩はちょうど弥勒寺橋の近くに、薬師《やくし》の縁日《えんにち》が立っている。だから二《ふた》つ目《め》の往来《....
大川の水」より 著者:芥川竜之介
た》、並木、蔵前《くらまえ》、代地《だいち》、柳橋《やなぎばし》、あるいは多田の薬師前、うめ堀、横網の川岸――どこでもよい。これらの町々を通る人の耳には、日をう....
高野聖」より 著者:泉鏡花
う》した。 殊《こと》に娘が十六七、女盛《おんなざかり》となって来た時分には、薬師様が人助けに先生様の内《うち》へ生れてござったというて、信心渇仰《しんじんか....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、もそりと出る。 道学先生 二十二 月の十二日は本郷の薬師様の縁日で、電車が通るようになっても相かわらず賑かな。書肆文求堂をもうちっと....
金属人間」より 著者:海野十三
た都の西北|早稲田《わせだ》の森、その森からまだずっと郊外へいったところに、新井薬師《あらいやくし》というお寺がある。そこはむかしから目《め》の病《やまい》に、....
薬草取」より 著者:泉鏡花
で快くなろうとは思えんじゃありませんか。 その頃父は小立野と言う処の、験のある薬師を信心で、毎日参詣するので、私もちょいちょい連れられて行ったです。 後は自....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
の廚があって、其処で巡覧券を出すのを、車夫が取次いでくれる。巡覧すべきは、はじめ薬師堂、次の宝物庫、さて金色堂、いわゆる光堂。続いて経蔵、弁財天と言う順序である....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
べい――」 四 ここに、第九師団|衛戍病院の白い分院がある。――薬師寺、万松園、春日山などと共に、療養院は、山代の名勝に入っている。絵はがきがあ....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
声では申兼ねるが、猪はこのあたりの方言で、……お察しに任せたい。 唄で覚えた。薬師山から湯宿を見れば、ししが髪|結て身をやつす。 いや……と言ったばかりで、....
母への追慕」より 著者:上村松園
しかったことか知れなかったのである。 母はしかし、火事の打撃にまけず、高倉の蛸薬師に移って、やはり葉茶屋をつづけながら私たちの面倒をみ、その年の秋に姉を立派に....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
だ。したが、皆の者、今宵は早う眠るが好い、左様致したなら翌日は治ろう。好う一畑の薬師如来を信仰せよ」 御後室はそう云って、自分にも早くより蚊帳を吊らせ、寝所に....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
|橘樹郡小机村の郷士の子で、子供の時に眼を患ったのを、廻国の六十六部が祈祷して、薬師の水というのを付けてくれた。それで全治してから後は、不思議に夜目が利くように....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
はそれらしい様子は見える。 西山連峰の上を、富士が高く現われている。北には地蔵薬師等の山々が、重なり合うて、前岳の大崩れは、残雪のように白く輝く、やや西へ寄っ....
昔尊く」より 著者:上村松園
、幾月か半焼の屋根の下に母子して暮しましたが、結局どもならんしで、丁度、高倉の蛸薬師下るに家がありましたので、そちらへ宿がえすることになったわけでした。 従来....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
通り、河岸に近い水の中に何本も立っていた乱杭である。昔の芝居は殺し場などに多田の薬師の石切場と一しょに度々この人通りの少ない「百本杭」の河岸を使っていた。僕は夜....